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開催日:2020年10月17日(土)
会 場:さわやかアリーナ、袋井市総合体育館
TEXT & PHOTO :橋爪 充
2020年10月17日に静岡県袋井市のさわやかアリーナ袋井市総合体育館で行われたFリーグ2020/2021ディビジョン2第3節、アグレミーナ浜松対ポルセイド浜田は9対2で浜松が勝利した。浜松は今季2勝目。浜田は3連敗ながら、後半だけなら2対1で相手を上回った。お互いに手応えと課題を得た一戦だった。
前節はトルエーラ柏に1対6で完敗した浜松。田中智基が「(山元優典コーチに)1週間、相当走らされた」と振り返るほど強度の高いトレーニングを経て、ゲームに臨んだ。
柏戦までの2戦から、スタートのメンバーを2人入れ替えた。今季加入の霜出聖也は古巣対決。「特に意識してはいなかった」と本人は言うが、山元コーチは「テンションを挙げてくれる」と期待を込めてピッチに送り出した。ゴレイロにはコンディションを上げた岡島工が起用された。
浜松は序盤から主導権を握った。鷲北一輝、萩原洪拓、山桐正護、霜出のFP4人がピッチの幅を広く使ってボールを回す。浜田は三浦祐人、布田有祐、道岡昌弘、松山尚輝がセンターサークルより低い位置に下がってダイヤモンドの陣形で守る。「試合間隔が短く、前節でけが人が2人出たため、(けがのリスクを負う)ハードワークをさせたくなかった」(山本尚希監督)との意図だった。
先制は浜松。右サイドのコーナー付近で得たキックインから、霜出が蹴り込んだ。「セットプレーの練習通り」(霜出)という、意図された動きで取ったゴールに浜松は勢いづく。4分には右CKから田中が左足で見事なダイレクトボレーを決める。5分には逆のCKから須藤慎一が蹴り込む。
浜田はボールサイドの反対側に空くスペースを使われ、防戦一方。相手のボールホルダーへの寄せが一歩遅いのは、前日に島根と浜松をバスで移動した影響があったかもしれない。
浜松はその後も着々と加点。クアトロシステムから左に流れたピヴォに縦パスを入れ、ダイアゴナルの動きで相手の中央のスペースに起点をつくる。12分の山桐の反転シュートによる得点はまさにその形だった。13分には最終ラインの裏を取った松本行令が田中からのピンポイントパスを点で合わせてゴール。浜松は自在な動きで浜田を翻弄し、前半だけで8点を奪った。
大量リードを許した浜田だったが、決してあきらめモードには陥らなかった。7点目を取られた後の14分ごろから高橋英也、中川智貴を投入し、前線の2枚がボールを追い始める。
後半はこの戦術が機能。2セットを2分未満で入れ替え、連動したプレスで浜松のパスを寸断する。相手のちょっとしたパスのずれを狙ってボールを奪い、後半は2点を返した。逆転の気配はさすがに漂わなかったが、浜松遠征でチームとしての強度を高めたいという強い意欲は伝わった。
9対2というスコア。浜松は無観客だった今季の初ホームゲームを大勝で飾った。山桐はハットトリックを達成した。広島、神戸、柏と続く上位対決に弾みが付いたが、後半は勢いが落ちた。すでに1敗を喫しているため、F1昇格のためには得失点差が鍵を握る可能性がある。後半が1得点のみだったこと、2失点を喫したことを糧としたい。
▼アグレミーナ浜松9-2 ポルセイド浜田
3分 霜出聖也(浜松)1-0
4分 田中智基(浜松)2-0
5分 須藤慎一(浜松)3-0
9分 中村章(浜松)4-0
12分 山桐正護(浜松)5-0
12分 田中智基(浜松)6-0
13分 松本行令(浜松)7-0
20分 山桐正護(浜松)8-0
27分 山桐正護(浜松)9-0
35分 高橋英也(浜田)9-1
36分 布田有祐(浜田)9-2
▼アグレミーナ浜松・山元優典コーチコメント
-ゲームを振り返って。
「前半は100点に近いほど良かった。相手のやり方がハーフで下がってくれて、やりやすかった。前から来たときにゲームのリズムがつかめなかった。勝てて良かった」
-スタメンを変更した意図は。
「(霜出は)古巣とやるときはモチベーションも上がるのでスタートから出した。(岡島は)けがもあったので(1、2節は)伊名野を使ったが、GKコーチとも話しながら、岡島の調子が上がってきたので使った」
-霜出の評価は。
「普段からひょうひょうといいプレーをしてくれている。あとは経験と自信。きょうは自信になっただろう。次も期待したい」
▼アグレミーナ浜松・鷲北一輝選手コメント
-ゲームを振り返って。
「ここ最近、立ち上がりで失点していた。きょうは先制点でいい形では入れたが、後半だけ見れば負けている試合。点差がついたときも、後半からもっと点をとらなくては」
-相手の戦術変更に対応できなかった要因は。
「気持ちの部分が一番大きい。点差が付いてもゆるめてはいけない。切り替えのところも、プレーがちょっと軽くなっていた。意識の問題だと思う。もっと点を取らなくて行けなかったし、取られてはいけなかった」
▼ポルセイド浜田・山本尚希監督コメント
-試合を振り返って。
「前半はシステム設定でミスをしてしまった。後半、よく選手たちが切り替えてくれた。後半だけなら2対1。チームの特徴や選手の個性を引き出さなくてはいけない試合だった。選手たちの底力を感じた。ぼくの勉強不足。采配ミスです。」
-移動の負担は大きかったのではないか。
「前泊して試合に臨んだ。島根はどこからも時間がかかる。負荷が違う。袋井へは8時間かけての到着だった」
-引いた守備の意図は。
「試合間隔が短く、けが人が前節に2人出てしまった。高い位置のプレスに自信があったが、これ以上のけが人が出るハードワークをさせたくなかった。技術がある浜松の選手たちを相手に、ハーフで守ったときの手応えを感じてもらいたかったという意図もある。サイドの受け渡しがうまくいかなかったときに逆の高い位置でフリーが発生してしまった。トレーニングから伝えていたことだったが、選手が不安を抱えたまま試合に臨んでしまった。いい準備をさせてあげられなかった」
-前半の最後から後半にかけて、高い位置のプレスが機能していた。序盤からあの戦術でゲームを進めることはできなかったか。
「コンディションがよくなかった中で、選手がよく頑張ってくれた。よく走ってくれたと思う。前半からやらせてもできたかもしれない。ぼくが選手のことをもっと把握しなくてはいけなかった。采配ミスですね」
2019年9月14日に静岡市清水区の清水総合運動場体育館で行われたFリーグ2019/2020ディビジョン2第7節、アグレミーナ浜松対広島エフ・ドゥは4対2で広島が勝利した。浜松は同会場での初開催を白星で飾れず、リーグ前半を4勝3敗で折り返した。広島は15日開催の横浜対北九州の結果を受けて、2位北九州から勝ち点1差の3位につけた。
「良い時間帯の追加点」の重要性を実感させられる浜松の敗戦だった。浜松は立ち上がりから主導権を握り、5分に野嶋倫の左サイド縦突破から中の磯田剛志が決めて先制。その後もプレスラインが定まらない広島の2セットを相手に、軽快にボールを回した。
10分前後には鷲北一輝、中村友亮、山元優典、日永田祐作のセットが良い距離感でパス交換しながらチャンスを作り、2度の決定機を迎えた。だが、ここで浜松の前に立ちふさがったのが広島のゴレイロ尾関潤だった。的確なポジショニングと反応の鋭さでシュートをはじき、追加点を与えない。試合を終えて振り返れば、この二つのシーンと、16分の中村友亮のカウンター独走からのシュートが右に外れた場面のうち一つでも決まっていれば、浜松は楽にゲームを進められただろう。
こうした展開になると、我慢を重ねた側に流れが傾くのが、フットサルの常。広島は前半の終盤までほとんど決定機が作れなかったが、18分に佐々木諒のミドルシュートが決まり、追いついた。広島は、ファーストセットの富廣洋平、セカンドセットの永井聡の両ピヴォに早めに当てる攻撃を執拗に繰り返していた。同点の場面は右サイドに流れた富廣がキープし、中央の佐々木がノーマークでシュートを打った。浜松はピヴォへのマークは厳重だったが、この場面ではハーフラインを超えたあたりまで進出したフィクソ佐々木への対応が緩かった。
後半は取って取られてで2対2に。緊迫した空気が館内に充満し、非常に良い雰囲気だった。試合が決したのは35分。広島は左CKを三島光太郎がニアに蹴りこみ、武田侑也がゴレイロの前で触ってゴールを陥れた。浜松のマンマークの虚を突いた、広島にしてみれば「してやったり」の勝ち越し点だった。
浜松はすかさず須藤慎一をゴレイロに据えてパワープレーに出るが、淡々としたパス回しに終始し、広島のDFの穴を見つけることができない。4対2で広島が逆転勝ちを収めた。
ともにFリーグで選手として活躍し、日本代表経験もある浜松・豊島明監督、広島・村上哲哉監督の対戦だったが、アウエーチームを率いた村上監督に軍配が上がった。
広島は5勝2敗で折り返し、2位北九州に肉薄した。村上監督は「選手、監督ともに引き出しは多くないが、自分たちのスタイルを貫いて戦いたい」と後半戦を見据え、F1昇格にも意欲を示した。
浜松は4勝3敗。惜敗が続く前半戦を踏まえ、豊島監督は「これで終わりではない。立ち上がる気持ちを強く持って戦いたい」と巻き返しを誓った。
▼広島エフ・ドゥ 4-2 アグレミーナ浜松
5分 磯田剛志(浜松)0-1
18分 佐々木諒(広島)1-1
27分 オウンゴール(広島)1-2
31分 山桐正護(浜松)2-2
35分 武田侑也(広島)3-2
37分 永井聡(広島)4-2
▼アグレミーナ浜松・豊島明監督コメント
-ゲームを振り返って。
「立ち上がり、先制したところまではよかったが、そこから追加点を奪えなかった。ギアを上げた時間帯に追加点を取れず、オウンゴールで悪い流れを引き込んでしまった」
-前半に追加点が取れなかった要因は。
「ポイントはセットプレーだった。フィールドできれいに崩しきるのはなかなか難しい。接戦では特にセットプレーが重要だった。相手は2本決めて、こちらは決めきれなかった。パワープレーの失点は、引き分けではだめだったので仕方がない。対策はしていたが、スカウティング以外の部分で対応が足りなかった」
-後半は、相手のピヴォ2枚に縦パスがよく入れられていた。
「前を向かれてシュートを打たれていなかったが、確かにボールは収まっていて、嫌なところではあった」
-リーグ前半を終えて4勝3敗。この結果については。
「自力優勝が厳しくなったと認識している。だがこれで終わりではない。ここから立ち上がる気持ち、自分たちの目標としているところにどれだけ近づけたいかという気持ちの勝負だと思う。(敗れた)横浜戦、北九州戦も、シュートがうてずにゲームを落としているわけではない。ゲームを決めに行くという強い気持ちと冷静さが必要だ。後半戦も、勝負を決めるゴールを貪欲に、アグレッシブに狙っていく」
▼アグレミーナ浜松・中村友亮選手コメント
-ゲームを振り返って。
「先制して、追い付かれて、逆転され、同点に追いついたところまでは良かった。いい流れもあったが、相手はセットプレーを2本決めてきた。同じ形からやられている。ちょっとしたコミュニケーションのずれが原因だ。特に3失点目は、その前の失点と同じ形だったので、守りのコミュニケーションが取れていればという悔いが残る」
-リーグの折り返しの一戦。前半7試合を振り返っての感想は。
「勝負弱い。接戦で勝てない。(1部から降格したチームということで)相手はどこも向かってくる。(こちらも)絶対に負けないという強い気持ちがあるが、力が入りすぎてフィニッシュの精度が下がっているように感じる。もっと冷静に打たなくては。チームとして、こういうプレッシャーでゲームをやりなれていないところもある。開幕時の目標は全勝優勝だったが、前半の結果を踏まえて、後半は目の前の試合に集中して戦いたい」
▼広島エフ・ドゥ・村上哲哉監督コメント
-勝ち点12で並ぶチーム同士の対戦。試合前は選手にどんな指示をしたか。
「過去は変えられないが、未来は変えられる、という話をした。1巡目最後の試合でコンディションの不安もあったが、選手は高いモチベーションで乗り越えてくれた。成長を感じた一戦だった」
-押し込まれた前半に比べて、後半はピヴォにボールが収まり、ペースを握れていた。
「シンプルに裏に蹴っていくということを徹底するという点では、やり方は変えていない。後半はそれをきちんとそれを体現してくれたということだと思う。前半に追いついたタイミング、後半に自分たちのやり方で逆転できたこと。全てがパーフェクトだった」
-リーグの折り返しで勝ち点15。開幕前の予測と目標と比較して、この結果をどうとらえるか。
「横浜、北九州、浜松との試合がカギになってくると思っていた。このうち、横浜と北九州の試合はホームだったので、最低限でも勝ち点1を得るつもりだったが、かなわなかった。きょうの浜松との試合で勝ち点3を取れたのは、そうした意味でも大きい。選手も自分も経験値が高くないので、スタイルのバリエーションは多くない。自分たちのやり方を徹底して後半戦を戦いたい」
▼広島エフ・ドゥ・三島光太郎選手コメント
-3点目のシーンを振り返って。
「ハーフタイムに、浜松のマンツーマンを外すために、キーパーの前で(ボールに)触ろうと話をしていた。それがうまく行った」
-前半は押し込まれたが、後半はペースを握っていた。
「今までは、試合の途中でうまく行かないとイライラすることもあった。だが今日は、自分たちを信じて最後までゲームができた。これまでのリーグ戦ではできなかった試合だ」
-リーグの後半戦をどう戦うか。
「最初の試合の相手である柏は、かなり戦力補強している。1戦目とは違った展開になるだろう。油断せずに戦いたい。上位の横浜、北九州との対戦は、自分たちのスタイルをしっかり出したい。ケガで離脱中の選手も戻ってくる。チーム全体で勝ち切りたい」
※TEXT & PHOTO :橋爪充
開催日時:7月15日
会場:静岡県・浜松アリーナ
試合時間:前後半20分
写真・文/橋爪充
SuperSports XEBIO 東海フットサルリーグ2019の1部第3節、第4試合は前年度リーグ4位で地域チャンピオンズリーグを制した名古屋オーシャンズ サテライトがROBOGATO Futsal Clubに逆転勝ちを収めた。
昨シーズンの対戦ではロボガトが4点差をひっくり返して5対4で勝利している、因縁の愛知県勢対決。当時のメンバー表を見ると、名古屋サテは9人が入れ替わっている。新たにロボガトの得点源だった野村悠翔をメンバーに加えた。2019シーズンを連勝でスタートさせた名古屋サテにとってこの試合は、目標とする地域チャンピオンズリーグ4連覇への大きな関門と言えた。
名古屋サテは前半、ロボガトの速攻やピヴォ当てで崩されて2失点。自陣でのミスを拾われてさらに1失点。前半は残り3分までに2点のビハインドという苦しい立ち上がりだった。
重苦しい雰囲気を振り払ったのが、トップチームにも登録されている、今季東海リーグ初出場の鬼塚祥慶だった。17分、相手陣第2PKマーク付近で得たFKを直接ゴール右上に叩き込んだ。雄たけびとともにチームを鼓舞し、後半の攻勢への機運を高めた。
前半を3対2で折り返したロボガトは後半、少しでも長くリードの時間を保ちたかったが、1点差という拮抗した状況が攻めと守りのバランスを失わせた。
名古屋サテは21分、武田彰が相手の後ろ2枚の中途半端なポジショニングを見逃さず、中央を通す絶妙なスルーパス。抜け出したエッジカルロス・シルバ・エミリアノ・ドス・サントスがGKとの1対1を制して同点ゴールを沈めた。
名古屋サテは同点から1分もたたない時間帯に逆転。左サイドを突破した巽優太の折り返しを、マークを外したエッジカルロスが技ありのループシュートで決めた。さらにその1分後には右CKから野村が「恩返しゴール」。ゲームの趨勢を決定づけた。
後半開始直後の連続ゴールで3連勝を飾った名古屋サテ。昨シーズンは1勝1敗1分けでスタートダッシュに失敗し、最終節で地域CLの出場権をつかんだが、今季は上々の立ち上がりとなった。ロボガトは最後まで粘りを見せたが力負け。4位までに与えられる地域CL出場権をつかむためにも、夏場の連戦は負けられない。
▼名古屋オーシャンズ サテライト 7-4 ROBOGATO Futsal Club
3分 石野真士(ロボガト)
6分 鬼塚祥慶(名古屋サテ)
11分 安井悠人(ロボガト)
16分 高田晃弘(ロボガト)
17分 鬼塚祥慶(名古屋サテ)
21分 エッジカルロス・シルバ・エミリアノ・ドス・サントス(名古屋サテ)
22分 エッジカルロス・シルバ・エミリアノ・ドス・サントス(名古屋サテ)
23分 野村悠翔(名古屋サテ)
26分 中野靖也(ロボガト)
32分 イワハシ・ナオキ(名古屋サテ)
39分 鬼塚祥慶(名古屋サテ)
▼名古屋サテ・若山伸太郎監督コメント
ロボガトは縦に速いので、取られ方次第で上下の激しい動きになると予測していた。(ビハインドで折り返したが)ハーフタイムの修正で、後半立ち上がりがいい方向に出た。去年の対戦では大逆転負けをしていたので、みんな負けたくない気持ちが強かった。最大2点差をつけられたが、終了間際に1点差にでき、後半にうまくつながった。
―選手の起用で重視した点はあったか。
今後成長してほしい選手も、けがから戻ってきた選手を出したいというのもあった。セットは大きく変えなかったが、1点差、2点差の段階で彼らを使った。ミスもあったが、この経験を今後に生かしてもらいたい。
―例年以上に判断のスピードが速いように見えた。
どうですかね。個人のスキルは例年より少し劣っているかなと。今年は高校卒業したばかりの選手もたくさんいるが、今日は2、3年目が多かった。そういう意味ではうまくやれた部分もあれば物足りない部分もある。
―鬼塚選手がサテライトでは今シーズン初出場。
急きょ登録した。本来は1対1で仕掛けるタイプだが、安彦選手以外にフィクソで強く当たれる選手がいなかったので、ある程度フィクソを任せながらゲームを進めた。攻撃では何でもできる選手。うまくかみ合ってくればもっと活躍してくれるだろう。
―今季の目標は。
サテライトは年間を通じて大きな休みがない。毎日2部練習で週1の休み。これだけやっている中で、負けたくはない。目標は地域CL4連覇。達成できれば(現Fリーグの)すみださんがなし遂げた5連覇も視野に入る。
▼ロボガト・中野靖也選手コメント
前半はみんな集中していて、守備から攻撃への流れがうまくいっていた。だが、後半に入っていつも最初の時間帯で集中が切れてしまう。今日もそうだった。そこからずるずる点を決められ、顔が下を向いてしまった。
―5点目を入れられてからすぐ取り返した。
息を吹き返しかけたが、次の一歩、前に行く力が足りなかった。名古屋サテに対して、戦術的な特別に変更したことはなかった。練習でやっていることを発揮しようとしたが。
-今季の目標は。
ロボガトは3年前に川畑君たちがいた時代とは違うチームになっている。強いロボガトをもっと出して行かなくては。正直、選手が足りないという気持ちもある。今季はフィジカルベースを高めようと練習でよく走っているが、走っているから勝てるというわけではない。誰かが調子が悪くなったときに、(それをカバーするように)決めてくれる選手がいてくれたら良いのだが。
DUARIG Fリーグ2018/2019ディビジョン1開幕セントラル2日目の第1試合は、シュライカー大阪がFリーグ選抜を6対2で下した。
Fリーグ選抜は所属元が名古屋オーシャンズサテライトの北野聖夜、水谷颯真、瀧澤太将にアグレミーナ浜松の新井裕生が加わったセットでスタート。大阪は元ROBOGATOの加藤未渚実、アルトゥール、チアゴ、小曽戸允哉、柿原聡一朗という布陣で開幕戦に臨んだ。
大阪はFリーグ選抜の積極的な仕掛けを受け止めると2分、相手陣左サイドで小曽戸がプレスをかけて得たキックインから、アルトゥールがチアゴへのピヴォ当てで先制ゴール。3分にはチアゴがPKを決めて主導権を握る。
ほぼミスなくパスを回す大阪に対し、素早いプレスに自由を奪われたFリーグ選抜は決定機を作れない。大阪は8分にセットプレーのこぼれからチアゴ、9分には前線からの激しいプレスからGKが苦し紛れに出したボールをアルトゥールが難なく沈めて4点差をつけた。Fリーグ選抜は13分に、新井が自陣から超ロングシュートを決めて1点を返すも、大阪は18分、加藤の中への仕掛けから数的有利を作り、右の小曽戸、左のチアゴでフィニッシュ。5対1で前半を終えた。
後半は大阪がペースを落とした感もあり、Fリーグ選抜がドリブルで敵陣に持ち込むシーンも増える。Fリーグ選抜はラインを下げて陣形をコンパクトにし、相手の裏のスペースを狙いに行く。30分には鬼塚祥慶が自陣右サイドから力強いドリブルで持ち込み、自ら決めてチーム2点目をゲットした。
Fリーグ選抜は残り4分からGKを坂桂輔に代えてパワープレーを敢行するも実らず。若武者たちの初陣は、フットサルを知り尽くした大阪に屈する形となった。ただ、場内は時間を追うごとにFリーグ選抜の支持度が上がっていった。後半のチャンスシーンには、何度となく拍手が送られた。前半立ち上がりの失点は、大阪の圧力に負けたミスから生まれたもの。これが徐々に改善されていけば…という期待は感じさせた。
Fリーグのスピードやパワーに順応した彼らの1年後の姿を見たい。
▼シュライカー大阪 6-2 Fリーグ選抜
2分 アルトゥール(大阪)1-0
3分 チアゴ(大阪)2-0
8分 チアゴ(大阪)3-0
9分 アルトゥール(大阪)4-0
13分 新井裕生(Fリーグ選抜)4-1
18分 チアゴ(大阪)5-1
21分 小曽戸允哉(大阪)6-1
30分 鬼塚祥慶(Fリーグ選抜)6-2
▼Fリーグ選抜・高橋優介監督コメント
前半と後半で差があったゲーム。点差があったということで、後半は相手のプレー強度が落ちる結果になった。(そうした要因があるので)前半、後半(を分けて)良かった悪かったと評価しない方がいい。前半の入り3~4分で失点しているが、最初は悪くなかった。だが、自分たちが押し込まれてぐいっと来られる相手の対応がうまくできていなかった。ゲームの流れを失った要因だと思う。
-2失点した直後の早いタイミングでタイムアウトを取った。どんな指示をしたのか。
自分たちがやるべきことを確認した。押し込まれることは分かっていたが、ボールに対する執着心が出ていなかった。そこを出さないとどんどん(点差が)広がる。相手よりゴールを多く取る、という根本が欠けていると感じたので、気持ちの部分でどうするのか、誰がやるのかを確認した。
-得点した鬼塚の評価は。
前に行くという点では、チームで一番能力が高い。ゴールへの意識も同様だ。
▼Fリーグ選抜・三笠貴史選手コメント
点差が開いてしまった。戦術や個人の技術より、勝つんだという強い気持ちでピッチに立てていなかったことが問題。技術的に劣っている部分はあったが、戦える部分はある。それを最初から持ってこないとそもそも同じ土俵で戦えないと思った。
-今後、チームをどう高めていくのか。
ゲームの入りがいつも悪い。普段の練習のフィジカルやスピードとまったく違ってしまっている。勝つためにピッチに立っていても、入りでビビってしまうと根本がぶれてしまう。
▼Fリーグ選抜・新井裕生選手コメント
-ゴールシーンを振り返って。
(ボールを保持して)パッと見たらGKが前に出ていたので打ったらうまくいった。状況も状況だったので素直に喜べなかったが、ここから追い上げていければという思いがあった。
-試合全体の印象は。
攻撃面の入りは悪くなかったが、守備でチアゴ選手やアルトゥール選手、加藤選手のところで後れを取ってしまった。体で勝てなくても、あと1歩足を出す、セグンドでスライディングして止めるなどできたはず。そういうところは足りなかった。
空回りしていたのか、ビビッていたのかわからないが、一人一人がもっと守備で体を張る必要があった。若くて経験もない僕らは、相手より倍ぐらい走って頑張らないと、「いい勝負」にすら持ち込めないと思う。
▼シュライカー大阪・比嘉リカルド監督コメント
前半からいいリズムを作って4点差をつけられた。(このまま)止まらないように、同じリズムでプレーするように指示した。良い試合の運び方だったと思う。開幕戦で勝利ができて良かった。
-攻撃面で昨年からのプラスアルファは。
練習ではパターンではなく、システムに入れるようにしているが、まだ難しい。いいタイミングで、試合に使えるようにしたい。
▼シュライカー大阪・小曽戸允哉選手コメント
リーグを戦う上で開幕戦は非常に大事。勝ち点3を取ることだけを考えた。実行できてよかった。
-Fリーグ選抜への印象は
若い選手が多く、よく走る。技術も高い。ただ、きょうはチアゴや相井など体が強い選手とのマッチアップで耐えられなかった。そこで(大阪は)チャンスをつくれた。相手(Fリーグ選抜)は難しくなってしまった。
※TEXT & PHOTO :橋爪充
DUARIG Fリーグ2018/2019ディビジョン1開幕セントラル2日目の第2試合は名古屋オーシャンズがアグレミーナ浜松を9対0で一蹴した。
序盤から猛攻を仕掛ける名古屋は1分、右CKから中央のヴァルチーニョがゴール左上にミドルシュートを決めて先制。2分にはルイジーニョが右のヴァルチーニョに振り、折り返しをファーの吉川智貴が沈めた。3分、右CKをニアでペピータが合わせて3点目。6分にはセンターサークル付近で受けた星翔太が1トラップでDFをかわして直進しゴール。10分には左サイド深くに持ち込んだ八木聖人が粘り、最後は平田ネト・アントニオ・マサノリが左足で蹴りこんで5点目。この時点で、すでに勝負あった。
浜松は自陣の深い位置でボールを保持するが、最初のパスがつながらない。素早くコースを切る名古屋のディフェンスにことごとく引っかかり、ルーズボールもほとんど拾われてしまう。時折、ライン際を野嶋倫が攻め上がるなどして敵陣にボールを持ち込むが、名古屋のディフェンスを崩すにまでは至らない。
後半も立ち上がりに名古屋が加点し、リードを広げる。残り6分には、名古屋平田の退場で浜松が数的優位の時間帯を迎えるが、名古屋は星龍太、安藤良平、吉川が集中した守りを見せ、得点を許さなかった。
名古屋は外国人選手と、日本人選手ががっちりかみ合い最高のスタートとなった。浜松は前後半とも激しいプレスを見せる名古屋に主導権を奪われ、最後までペースをつかめなかった。開幕戦の0対9というスコアは2016/2017シーズンにフウガドールすみだを相手に喫して以来。次節は同じように開幕戦を落とした湘南ベルマーレが相手。まずは守備の立て直しを図りたい。
▼名古屋オーシャンズ 9-0 アグレミーナ浜松
1分 ヴァルチーニョ(名古屋)1-0
2分 吉川智貴(名古屋)2-0
3分 ペピータ(名古屋)3-0
6分 星翔太(名古屋)4-0
10分 平田ネト・アントニオ・マサノリ(名古屋)5-0
25分 八木聖人(名古屋)6-0
30分 吉川智貴(名古屋)7-0
36分 橋本優也(名古屋)8-0
37分 ルイジーニョ(名古屋)9-0
▼浜松・豊島明監督コメント
立ち上がりに失点を重ね、後半も早い段階で失点してしまった。ペースをつかめなかった。チャンスがなかったわけではないが、決められなかった。
-シーズンを戦う上での手応えは得られたか。
きょうの試合からは感じられない。ただ、奮起して1点を取ろうという気持ちは最後まで見せた。攻撃の形はできていた。そこでゴールが生まれれば、もっと競った試合になっていたはずだ。修正する部分を見極めていく。
-新入団の山田凱斗選手の評価を。
なかなか思い通りのプレーができなかっただろう。だが18歳にして、ほかの選手と分かり合える力をもっている。この素材を生かすも殺すも、わたしの采配次第だと思う。決定的なところが決められるかが課題だ。
-シーズンを通してどんなチームにしていくか。
きょうは、準備したことをさせてもらえなかった。真っ向勝負を挑んでこの結果だから、すっきりしている。シュートまでいく過程は見せられた。昨シーズンの順位(8位)を超えるための形は多少見せられたと思う。今後は、しっかり勝負を決定づけるチームにしていきたい。
▼浜松・松浦勇武選手コメント
前半の入りで失点しまったことが響いた。ボール回しが後手後手になり、攻撃に出た時はきつい状況になってしまった。前半の最後や後半の中盤など、こちらのペースになった時間帯もあったが、このスコアは恥ずかしい。第1節なので、下を向いている時間はない。反省すべき点を反省して、次につなげたい。
▼浜松・山田凱斗選手コメント
対戦して、オーシャンズの強さを改めて感じた。スピード感や強さ。さすがにFリーグを引っ張って何度も優勝するチームだと思った。
-初めてピッチに立った時の思いは。
目標にしていた舞台だったから(うれしかった)。でも、何もできなかった。このままでずっといるのではなく、シーズンを通して高めていきたい。来週も試合もある。自分ができることをやっていくしかない。
-オーシャンズの強力な外国人とのマッチアップの感想は。
胸板が厚く、フィジカルが強い印象。イライラさせたらこっちのものと思って強く行ったが、うまくはがされることもあった。さすがに上手い。
-前後半それぞれに決定機があった。決めるために必要なことは。
あの場面はどちらもゴレイロの動きは見えていた。味方の動きを見て、そちらにつけるという判断もできればよかった。きょうは大差で負けてしまったが、9失点を0に近づけ、0得点を1でも、2でも、少しでも多く積み重ねたい。そのことが勝利につながる。
▼名古屋・ペドロ・コスタ監督コメント
私たちが主導権を握れたゲームだった。選手のがんばり、努力がある中でゲームをつくることができた。ただ全部が良かったわけではない。前半は終盤に落ちたところもあり、相手にチャンスを作られた。ハーフタイムには、そのあたりを話し、リセットした。後半は立ち上がりから得点が生まれ、強い攻撃力のあるフットサルができたと思う。長いリーグ戦で最初の1歩を力強く踏み出せた。
-8人がゴールを決めていることの意義とは。
多くの選手が点を取れたことは、攻撃的なチームを作り上げていく中で非常に大事。誰でも得点が取れるというイメージは相手に恐怖を与える。チームにとってプラスに働く。チームがどうやって勝っていくかが大事であり、誰が取るというよりもまずは勝つことだ。
▼名古屋・星龍太選手コメント
開幕戦に勝てた。リーグ戦の1試合を取れてほっとしている。だが勝った試合こそ、細かい修正が必要になってくる。きょうは完ぺきな試合運びではなかった。もっと良くするために練習する。
-後半の数的不利の時間帯も、零封する意識が強くうかがえた。守っているときの心境とは。
いくら点差が離れていても、全力をつくすことが大事。4対3の場面は、すべての相手に対して起こる状況ではない。きょうの2分間は、これから起こるかもしれない4対3に備えた(という意味もあった)。試合ではあるが、頭を使った。
※TEXT & PHOTO :橋爪充