Author Archive
今年の大会は予選ラウンドと決勝ラウンドの2日間に分けて行なわれた。そして、そのどちらもが県リーグと同時開催だった。
広いエコパ・メインアリーナの3面、その2面で県リーグ、残り1面で女子の大会運営となったのだ。
県リーグでの記録管理業務などもあり、観戦にしても写真撮影にしても充分な時間をかけて行うことが出来なかったが、応援スタッフのご協力もあり、わずかではあるが大会の様子を記録に残す事が出来ている。
その出来栄えや試合毎の掲載数の違いには目を瞑りご覧いただければと思う。さらに大会終了から掲載までの遅れについても、何卒、ご容赦を!
「あくまでも通過点。もちろん結果にこだわっていますが、全国でピークを迎えるための過程での1試合に過ぎませんから。」
7月21日の予選ラウンドそして8月18日の決勝ラウンドと、スコア速報の掲載だけで終わっていた今年度の全日本女子フットサル選手権全国大会へ向けた静岡県予選、「静岡県レディースフットサル選手権」は3年ぶりにFrontier FC(以下、フロンティア)が頂点に返り咲いて幕を閉じた。
冒頭のコメントは、そのフロンティアの指揮を執った曽根田かおりコーチに試合直後にうかがった際のものだ。
女子の単独チームとして唯一、全国を舞台に戦うことが出来る公式戦「全日本女子フットサル選手権」へ向けた試合はどのチームにとっても最も重要な試合と位置づけられている。
その静岡県代表の座を2年連続で逃していたフロンティアにとって、今年の大会へどれほどの想いを持って臨んだ事だろう。
予選ラウンドからのスコアを見る限り「敵なし」の印象を受けるかもしれないが、やはり試合は「やってみなければわからない!」のが事実。それだけに、いくら照準を全国に合わせているとは言え、その結果が出たときには、(強気の指揮官とて)意に反して少々浮かれた言葉の一つも出ておかしくないだろう。
それにもかかわらず、試合後のインタヴューに応じてくれた曽根田コーチがサラッと語った冒頭のコメントに、チームの目線の高さが本物である事をあらためて感じる事となった。
「自分がコーチとなってから2年でのチーム作りを目標としてきました。まだまだ立て直しの途中ではありますが、今年は結果にこだわる事を強く意識させながら試合に臨んでいます。」
そう語る彼女にチーム作りへの方針を尋ねると「選手ひとり一人の自主性を引き出し、それを大切にしています。選手がチーム戦術に合わせるのではなく、個々のレベルに合わせた役割を与え、選手が試合の中でその役割をきっちりとやり遂げる。今日の試合まででも昨年までのように(選抜招集選手のように)決まった選手の出場時間が極端に長いことはありません。これまでの試合では全員に成長が見られたと感じています。」
続けて決勝戦に関して尋ねると「戦術については出来た部分、反省点がありますが、何よりひとり一人があらためて止める蹴るの基本を振り返るきっかけになる試合だったと思います。過程とは言えそれがなければどんな戦術も成り立たないので。」と振り返った。
さて、気になる東海大会だが・・・。
日程は9月30日(日曜日)、三重県の鈴鹿スポーツガーデンが全国への切符を競い合う舞台となる。
今季、東海地域に与えられた全国出場枠は恐らく「1」、これまでも何度か東海1枠の年があったが、その決定方法は「2枠」を決めるリーグ戦とは違い「負けたら終わり」のトーナメント戦となることが常だ。
そしてその組み合わせが、「前年度の成績を元に割り振られる。」と考える事も合理的だろう。と、言う事は昨年度4位の静岡県代表は初戦で昨年度の優勝チームと対戦することになる、そう考えて良いのではないだろうか。
フロンティア vs ギャング
東海女子フットサルリーグでも隔年で女王の座を奪い合っている両チームにとって、たとえ初戦でのこの対戦が正式なものとして発表されたとしても選手たちに心の変化は起きないはずだ。
初戦であろうと決勝であろうと、相手が何処であろうと「負けたら終わり」の1試合に過ぎない。
2年連続で全国出場から遠ざかっている静岡県、それだけにフロンティアに大きな期待を抱いてしまう事は否定しない。
決してプレッシャーをかけるつもりはないが、今季のフロンティアには全国で戦うにふさわしいタレントが集結していると(個人的には)感じている。曽根田コーチが語った「過程」をさらに進化させ、自分達のプレーを全国の舞台で披露し、そして「頂点」を目指し階段を登り続けて欲しい。
※以下、決勝トーナメントに勝ち上がった4チームの集合写真を試合毎に、スコアとちょっとした筆者の感想を添えて掲載しておきます。
なお、3位-4位決定戦については割愛させて頂きました。ご了承ください。
また、予選ラウンド、決勝ラウンドの試合の様子につきましては、次回の記事にてフォトギャラリーとして掲載予定です。
▼準決勝 第1試合
ROVERS Ladies 0 vs 9 Frontier FC
フロンティアがピッチを広く使った「外から中へ」の攻撃を中心に決定力を発揮。大量9得点を奪い決勝へ駒を進めた。
今季、久しぶり戦力が揃ったローヴァーズだったが、やはり練習量がゲームに正直に反映された結果となった。ただ、個々のスキルは高く、組織的な守りや選手間の連携などチーム力を高める練習が出来れば、県リーグでの結果も付いてくるだろう。
▼準決勝 第2試合
Infinito/PROVA清水フットサルコート 1 vs 3 golrira shizuoka
ディフェンス力が持ち味のインフィニートがオウンゴールとは言え先制点を奪ったこの試合、「もしや?!」の波乱が一瞬だけ頭をよぎるが、自力に勝るゴリラが逆転勝ちを納めた。 ゴリラは移籍や故障者の発生で戦力のやり繰りに多少の不安もあっただろうが、残された主力組の頑張りに新戦力や若手の成長が加わり順当に決勝へ進む事となった。
▼3位-4位決定戦
ROVERS Ladies 2 vs 0 Infinito/PROVA清水フットサルコート
▼決勝
Frontier FC 4 vs 1 golrira shizuoka
5年連続で同じカードとなった決勝戦はフロンティアがゴリラの3連覇を阻止。久しぶりに東海大会進出を決めた。
しばらく時間が空いてしまってはいるが筆者の率直な感想を記すと、敗れたゴリラの頑張りがいまだに最も印象に残っている。齊藤希の気合の入ったディフェンス、知り尽くされた左足でゴールを奪った青山実苗、そして攻守にわたり1対1への強さを見せつけた松島千佳。正直、現時点ではもう少し(点差に表れるかもしれない)戦力差を感じていた。と同時に、前半を無失点で折り返えし、ロースコアのゲームに持ち込むことができればゴリラに勝機が生まれるかもしれないと感じていたことも事実。
フロンティアの石川春郷でなければ決めることが出来なかっただろう、前半唯一の失点の場面。後半開始直後のセットプレーからの失点の場面。今更、筆者がどうのこうの書くまでもなく、彼女達は現実を振り返り、その結果を受け入れたはずだ。彼女達にとって苦しいシーズンはまだまだ続くわけだが、負けた試合ではあるがこの日のパフォーマンスに自信を持ってシーズン後半に臨んで欲しい。
今年に限らず過去5年間の熱戦、この2チームが存在しなかったら静岡県代表の座を争う試合の緊張感は観客席まで届かなかっただろう。そして両チーム合わせて10名以上もの静岡県選抜が出場したこの試合、あらためて静岡県女子の選手層の厚さを感じたゲームでもあった。
そして気が付けば、まもなく静岡県フットサル連盟として今季のトリムカップへ向けた本格的な活動を開始する時期となる。短期間の選抜活動ではあるが、全国の舞台を目指し選手たちと共に良い準備を行いたいと思う。
毎年、静岡県内各所にて何度か行われる「JFAファミリーフットサルフェスティバル with KIRIN」ですが、今年はすでにエコパアリーナにてスペシャルステージが終了、そして今週末の日曜日には沼津での開催が予定されています。
その後の県内開催は、9月29日(土)の静岡(会場:静岡市中央体育館)と11月25日(日)の島田(会場:サンワフィールドばらの丘)の2回となりますが、今回は静岡開催分についての参加チーム募集のお知らせです。
≫≫2012_JFAファミリーフットサルフェスティバルin静岡_開催案内.pdf
≫≫2012_JFAファミリーフットサルフェスティバルin静岡_参加申込書.pdf
ご家族、お友達などと是非ご参加ください!
先週末に完成→配付開始の「平成24年度静岡県フットサルリーグOFFICIALガイドブック」ですが、本日までにそのほぼすべてを各所へお届けさせて頂きました。
主な配付先は静岡県フットサル連盟所属チームのほか、広告掲載をさせていただいたお店、フットサル施設などです。
また、送付希望のご連絡を頂いていた方への郵送も本日完了いたしました。
お手元に到着するまで、今しばらくお待ちください。
今後の県リーグ、県レディースリーグでも在庫の残っている限り、開催会場にて配付を行います。
また、7月に新規オープンいたしました「gol.STORE SHIZUOKA」さんの店頭でも配布していただくようにお願いをさせて頂きました。
わずかな冊数ですが、まだ入手できていない方は是非、お店を訪ねて「ガイドブックありますか?」と店長さんに尋ねてください!
引き続き、メールやコメント欄などを通じての配付希望もお受けいたします。
今後ともよろしくお願い致します。
「勝てた試合だった」
この試合からキャプテンを任された中島涼太は試合後、そう言って唇をかんだ。
3対4、アグレミーナ3連敗。前半は2対0で折り返した。勝利への道筋は見えかけていた。だが、残念ながら終着点へたどり着くことはできなかった。
「現実路線に戻り、まずは守備から」(前田監督)というチームコンセプトのもと、特にゴール前に人数をかけて守った前半だった。サイドでの寄せの素早さ、シュートに対しての体の張り方には見るべきものがあった。ベルマーレのボラが「ファルカンフェイント」で鋭く左右にボールを動かしても、萩原洪拓、蓮池紳吾らが粘り強く食いついていた。
10分、左キックインから剣持貴充が左足でゴール。16分には自陣からカウンターで持ち込んだ田中充彦が、相手ゴレイロとの1対1を見事に制して2点目を奪った。剣持のシュートの強さ。田中の「自分の距離」の作り方の上手さ。持ち味がよく出た2ゴールだった。
アグレミーナの前半のシュートは3本。このうち2本がネットを揺らしたのだから、効率が良い。ハーフタイムのプレスルームでは、「3対0になったらいよいよアグレミーナ勝利が現実味を帯びる」という声が聞かれた。ペスカドーラ戦で4対2から追いつかれたことを皆、承知している。
後半、先に得点を奪ったのはベルマーレだった。21分、前半剣持がシュートを放ったあたりから、ボラが左足でシュート。これがシュートコースに入った田中の体に当たってふわりと浮きあがり、ゴレイロ山本浩正の上を抜いてゴールイン。献身的にディフェンスに行っていただけに、アンラッキーな1点だった。だが、フットサルという競技はえてして、こういう「理不尽なゴール」が流れを変えるのだ。
ベルマーレは前半よりプレスラインを下げており、アグレミーナがボールを回す時間が増える。足元、足元でつなぐアグレミーナ。ベルマーレがボールカットからカウンター、アグレミーナのカウンター返し。
29分、ベルマーレの小野大輔が自陣左サイドでボールを持つ。アグレミーナの選手は誰もチェックに行かない。ほんのちょっとした時間。だが、この元日本代表ピヴォはこういう空白の時間を決して無駄にしない。右サイドを脱兎のごとく駆け上がった鍛代元気に向けて、糸を引くようなシュートパス。ドンピシャのスライディングシュート。試合は振り出しに戻った。
逆転ゴールはその50秒後。今度は左キックインから、同じように右ファーに突っ込んだ鍛代がプッシュした。2枚の壁の間が空く。1点目のゴールスコアラーに付ききれない。アグレミーナのディフェンスにほころびが見えたベルマーレの3点目だった。
アグレミーナは、ニージャーリが前線でボール保持する。コンディションは悪そうで、運動量は多くない。振り向いてのシュートも見せない。だが、ゴールを背にする形でとにもかくにもキープはしてくれる。必然的にボールが集まる。
アグレミーナは残り7分あたりから、ハーフラインを越えてプレッシャーをかけるようになった。これはベルマーレを慌てさせる効果を生んだ。37分、ベルマーレ鍛代にこの日3点目を決められ、2対4。だがリスクを負って前がかりの陣形を敷いている以上、仕方がない。直後にニージャーリがこの日初めて見せた反転シュートを突き刺し、チームを鼓舞した。
シュートシーンが続くアグレーミーナ。「パワープレーを使わなくてもひっくり返せる確証があった」(前田監督)という戦況が続く。残り17秒で第2PK奪取。だが関係者、ファンの期待を背負った剣持の一撃はゴレイロにストップされてしまった。ほどなく試合終了のホイッスルが鳴った。
「試合を重ねるごとに少しずつ強くなっていると思う」。前田監督はいつものように、前向きなコメントに終始した。続いて外国人監督招へいについて、初めて記者会見で口にした。「良い形で次の監督にチームを手渡したい」
リーグ戦は1週お休み。代わりにオーシャンアリーナ杯が開催される。23日に組まれた1回戦の相手はFリーグ準会員のフウガすみだだ。クラブ発足後、初の公式戦勝利を飾るか。それとも「格下」(あえてこの言葉を使う)相手に1敗地にまみれるのか。ある意味、リーグ戦以上に重要な意味を持つ1戦である。
●湘南ベルマーレ 4-3 アグレミーナ浜松
10分 剣持貴充(アグレミーナ) 0-1
16分 田中充彦(アグレミーナ) 0-2
22分 ボラ(ベルマーレ) 1-2
29分 鍛代元気(ベルマーレ) 2-2
29分 鍛代元気(ベルマーレ) 3-2
37分 鍛代元気(ベルマーレ) 4-2
37分 ニージャーリ(アグレミーナ) 4-3
写真・レポート:橋爪充