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SuperSports XEBIO 東海フットサルリーグ 2016【1部リーグ】は9月4日、第3節の5試合を行った。
昨年度覇者の名古屋オーシャンズサテライトはトップチームでも活躍する橋本優也、齋藤 功一の活躍で逆転勝利を収めた。ROBOGATO FCは終盤の加点でXEBRAを突き放した。Force Futsal ISEはDELIZIA磐田に勝利。大和撫子/VIORA藤枝はヴェルデラッソ松阪に1対0で勝ち切った。2連敗同士だったPraia GrandeとNASPA四日市の一戦はドローに終わった。
SuperSports XEBIO 東海フットサルリーグ 2016【1部リーグ】第3節の結果
ROBOGATO FC 7-3 XEBRA
大和撫子/VIORA藤枝 1-0 ヴェルデラッソ松阪
Praia Grande 3-3 NASPA四日市
名古屋オーシャンズサテライト 4-2 MEMBER OF THE GANG
Force Futsal ISE 5-1 DELIZIA磐田
【順位表】
1)名古屋オーシャンズサテライト 勝ち点9 +11
1)ROBOGATO FC 勝ち点9 +17
1)Force Futsal ISE 勝ち点9 +7
4)大和撫子/VIORA藤枝 勝ち点5 +1
5)MEMBER OF THE GANG 勝ち点4 ±0
6)DELIZIA磐田 勝ち点3 -4
7)XEBRA 勝ち点1 -5
7)Praia Grande 勝ち点1 -7
7)NASPA四日市 勝ち点1 -11
8)ヴェルデラッソ松阪 勝ち点0 -9
開催日:2016年9月4日(日)
会場:静岡県・エコパサブアリーナ
試合時間:前後半20分、ハーフタイム10分
写真・文/橋爪充
SuperSports XEBIO Fリーグ2016/2017 レポート
Fリーグ2016/2017開幕節第3試合は、フウガドールすみだが9対0でアグレミーナ浜松に完勝した。
すみだは開始早々、渡井博之が先制点を挙げると11分にはハイプレスから西谷良介が自ら持ち込んで2点目。前半は2対0すみだリードで終えた。浜松は3分に松浦勇武の縦パスに山桐正護がヒールで合わせたシュートがポストをたたいたシーンがあったが、全般にパスの精度を欠いた。
後半はすみだのゴールショー。21分、左サイドで前を向いた太見寿人が体のフェイントでマーカーをずらし、狭いシュートコースを射抜いて3点目。22分には太見の戻しを清水和也が豪快に蹴りこんで4点目。浜松は30分ごろから足が止まり、シュート後のセカンドボールについていけない。
30分、ゴール前の跳ね返りにいち早く反応したすみだがシュートを打ち続け、最後は西谷がフィニッシュ。その20秒後、左キックインから諸江剣語が飛び込んで6点目。後半はこの時間まで、浜松は田中智基の強烈なシュートが唯一のチャンスだったか。
試合時間が残り5分を切ってもすみだは攻撃の手をゆるめない。35分、左サイドを突破してマーカーの前に出た岡山和馬の折り返しが田口元気に当たって7点目。36分、浜松が不用意に与えた左サイド深い位置でのFKから右ポスト脇にポジショニングした太見が合わせて8点目。37分、右サイドを突破した岡山が難しい角度から決めて9点目。試合終了まで足を動かしたすみだの選手たちのコンディションの良さが際立った。
シュート数はすみだ44本に対して浜松は17本。試合後、プレスルームでは「すみだは準会員リーグ、地域リーグのチームと対戦しているかのようだった」「Fリーグというリーグそのもののブランド価値を毀損しかねない」など、ワンサイドゲームに対する厳しい意見が相次いだ。反論することは困難だった。
次節以降のゲームで、アグレミーナ浜松のクラブ、チームとしての奮起を促したい。
▼試合結果
フウガドールすみだ 9-0 アグレミーナ浜松
1分 1⊸0 渡井博之(すみだ)
11分 2-0 西谷良介(すみだ)
21分 3-0 太見寿人(すみだ)
22分 4-0 清水和也(すみだ)
30分 5-0 西谷良介(すみだ)
30分 6-0 諸江剣語(すみだ)
35分 7-0 田口元気(すみだ)
36分 8-0 太見寿人(すみだ)
37分 9-0 岡山和馬(すみだ)
▼すみだ須賀雄大監督
「Fリーグの開幕戦はまだ3回目。これまで勝利がなかったので、勝ちたいという意欲がチーム全体にあった。前半はピンチが多かったが、それを補ってあまりあるチャンスを作れた。こういうゲームを続けるのが今季の目標。リスクマネジメントしながらアグレッシブなゲームをし続けたい」
-大黒選手を起用した理由は?また、欠場明けの出場となった渡井選手の状態は?
「内山GKコーチの意向。5試合のトレーニングマッチで結果が見られた。渡井は試合勘やフィジカルコンディションはまだ上がるという印象だが、トップレベルでプレーできていると思う」
-直前の試合で、(優勝候補ともされる)町田が敗れた。何らかの影響はあったか?
「特に何も思わなかった。神戸も今季強いと思っているので、そうなることもあるだろう。同じように、自分たちの試合でも浜松は強いという印象を抱いて入った」
-金川選手の穴は感じるか?
「まだ1試合勝っただけ。金川の必要性のようなものを感じるのは、チームの状況が悪くなったときだろう。今年のチームは若い選手の意識が高い。金川の穴は、一人で埋めることは難しい。全員で関わっていくのが大事。状況が悪くなった時、それを乗り越えることで若い選手は成長する。大きな心配はしていない」
▼すみだ諸江剣語選手
「良いスタートダッシュができたと思う。おごらずに。次の試合が大事なので、しっかり準備したい」
▼浜松保田健二朗監督
「0対9の大敗だ。前半の早い時間帯、ボールキープする前に失点。後半も早い時間帯に失点してしまった。前半終了時で0対2であればあわてることはなかったが、後半の4失点目で、その後のプレーの質が落ちた。昨年と同じ大敗だが、今年はゲームの中で開幕に向けてやったことが出ていた。悲観的にならずにやっていきたい。
-フィジカルベースの差を感じたが、準備は満足のいくものだったか?
「今年新たに入れたトレーニングもある。現段階では不足しているとは思っていない。すみだはFの中でもフィジカルが強い方。これを簡単に埋めることは難しい」
-最初の失点の原因は?
「今シーズン浸透させようとしている強いプレスをかけ続けたゆえに、こういう結果になった。最初の失点はこちらの準備ができていなかった。マークの受け渡しがルーズになった」
▼須藤慎一選手
「正直、やれる部分とやれない部分がはっきりした。相手は決定的な場面で点を決めた。こちらは決められなかった。その差が出た。若手が出場したが、開幕戦ということで緊張もあったし、いい経験になったと思う。次にフウガとやるときはお返ししたい」
-フィジカルの差を感じたが?
「練習試合では結構走れていると思っていた。しかし、今日は早い段階で息が上がってしまった。正直、今日はコンディションが低い日だった。会場の雰囲気にのまれてしまったのかもしれない」
text & photo: Mitsuru Hashizume
Fリーグ2016/2017開幕戦は、新生名古屋オーシャンズが3対0で勝利し好スタートを切った。
橋本優也、安藤良平、関口優志、田村研人、セルジーニョというフレッシュなファーストセットを軸に攻め込む名古屋だが、北海道ゴレイロ鶴岡広之が好セーブを連発し、ゲームはこう着状態が続く。
スコアレスで前半が終わるかと思われた19分、名古屋はシンビーニャが個人技でDF2枚を引っぺがしてシュートを決める。名古屋は1対0リードで前半を終える。
後半開始直後、名古屋は右サイドキックインから橋本のヘディングシュートがオウンゴールを誘発。名古屋は以後の時間でさまざまなセットを試しつつ、ゲームをコントロールする。
北海道は残り2分を切ってからパワープレーを開始。だが名古屋はカウンターからシンビーニャ⇒安藤でダメ押し。新シーズン初戦を快勝で飾った。
▼北海道小野寺隆彦監督
「一発逆転で勝ちに行く気持ちで戦ったが、一つ一つのプレー精度が低かったりプレスが弱かったり、名古屋に一歩リードできる内容ではなかった。チームとして戦うことにはできていたが、頑張っただけではだめだと思う。得点を決め、失点を防ぐというところをやっていかないと成長につながらない。自分たちの力を信じてこれからもやっていきたい」
-ゴレイロ鶴岡選手のナイスセーブが続いた。コンスタントにこうしたプレーができる選手なのか?
「昨シーズンまでは交代ゾーンから出たことはほとんどなかった。関口の陰に隠れてはいたが、1年間で成長していた。ことしは関口がいなくなり自覚、責任が出てきた。三浦も含め、戦えるキーパーに育った」
-相手ゴレイロ関口への対策は?
「特に伝えなかった。ウイークポイントは長年見ているので分かるが、彼は彼で名古屋で成長しているだろうから。ミーティング前に迷ったが、触れなかった」
-名古屋の印象は
「終始ボールを回された。メンバーは変わったがパスの精度が高く、ロストが少ない。貫禄を感じた」
▼名古屋ペドロ・コスタ監督
「大きな一歩を踏み出した試合だった。北海道とお互いに当たり合い、興味深いゲームができた。選手にお礼をいいたい。いい競争がある中で、練習の成果を多く出すことができた。チームとしてわたしの監督1戦目を勝ちとれた」
-どういうところからチーム作りをしたのか?
「今年は大きく若返った。昨シーズンに良い結果を残していたベースの選手が残って、チームを引っ張ってくれる。まずはその選手たちと今シーズンを作り上げていこうと思った。テーマはチームワーク。一人一人の個性を生かせるようなチームを作る。みんなにチャンスを与え、個性を表現できる場を提供しなくてはならない」
-ファーストセットのメンバーは新加入が半分以上を占めた。新チームの意思表明のようにも感じられたが?
「わたし1人でなく、現場スタッフで話して決めた。ゴレイロの関口は、相手が(古巣の)北海道という特別なチームであることを考慮した。田村は昨シーズン、誰よりも頑張っていたが、なかなかチャンスがなかった。今シーズンはチャンスを与えたかった。安藤はオールラウンダーなプレーヤー。チームにパワーを与えてくれる。セルジーニョはブラジル代表という肩書があり、(橋本)優也はスピードがある。全員に期待して出場させた。これまで実績のある選手をセカンドで出すことで、相手の裏をかく意味もあった」
▼北海道本田拓磨選手コメント
「3対0という結果がぼくたちの現状。しっかり受け入れて、今日体験した質を下げずにやっていきたい」
-主力が欠ける序盤戦をどう戦うか?
「チームとして今シーズンは守備の意識を高くやっている。今いるメンバーを中心に前からアグレッシブにやってきた。今日は距離をうまく詰められずに、相手の前線にボールが収まってしまった。開幕戦ということで、勝ちに行っただけに正直悔しい部分がある。長いシーズン、1試合1試合、向上心を忘れずにやっていきたい」
▼名古屋星龍太選手コメント
「新しいチームになり、ゲームの立ち上がりは堅かった。ただ、今年のチームは若い選手が中心になってよく走り、よく声を出す。彼らがチームを引っ張ってくれたおかげで勝てた。これは今までにないオーシャンズのかたち。監督が新しく作り上げようとしている『チーム一丸』というコンセプトを体現できた」
▼名古屋橋本優也選手
「Fリーグのデビュー戦だったが、これまで何度もイメージしていたので緊張することはなかった。家族や友人がスタンドに来てくれていたので、その点だけが異なっていた」
-スターティング5に入ったが、監督からはどんな役割を期待されていたか?
「今シーズンの練習が始まった当初から、スタメンで使ってもらうことが多かった。自分の特徴はスピードなので、動き出しを多くすることを求められた。ドリブルからのシュートが持ち味なので、今後はもっとシュートのシーンを増やしたい。DFの1対1を改善できたらとも思う」
-地域リーグとのフィジカル面やスピードの違いでとまどう点はなかったか?
「昨季もトップチームの練習に参加させてもらっていたので、慣れていた部分はあった。オーシャンズの練習が一番厳しいはずなので」
-平田選手へのピヴォ当てが2回ほどあった。
「サテライトでずっと一緒にやってきた。お互いを見ているので、やりやすい。良い連携を取れたのではないかと思う」
-今季の名古屋はサテライトの卒業生が中核を占める。
「名古屋は育成環境が良いので選手として成長できる。自分もその中の一人でありたい」
▼平田ネト・アントニオ・マサノリ選手
「Fリーグのデビュー戦は最高だった。雰囲気が全然違って、めちゃくちゃ楽しかった。多くの人に見てもらえて本当にうれしかった。緊張は全くなかった。結果を残せたとは言えないが、Fリーグに出場するという夢をひとまず果たせた」
-地域リーグとの差は感じなかったか?
「練習でやっている(トップチームの)人たちがめちゃくちゃ強いので、違和感はなかった」
-体つきが変わったようにも見えるが?
「腰のあたりが絞れて、胸周りが大きくなった。フィジカルコーチに練習メニューを見てもらった成果だと思う。股関節もトレーナーに手伝ってもらって、徐々に良くなってきている」
-監督からはどんなことを要求されたか?
「ピヴォとして前で起点を作る仕事。しっかりキープして、いつもゴールを狙えと言われている。その意識を強く持っていた。前で収める仕事なので、もっと体を作って、ボールを簡単に失わないように。よくシンビーニャにはエゴイストになっていいと言われる。今日の試合でもそこは改善点だと思う」
-橋本選手も含め、サテライト出身の選手が多く出場していた。
「(橋本は)サテライトの時から良い連係で点を取れていた。今日もそれは使えたと思う。サテライト出身の選手とはお互いに競争しながらやっていきたい」
text & photo: Mitsuru Hashizume
2016/06/12写真追加
2016年度第21回全日本フットサル選手権静岡県大会/大和撫子/VIORA藤枝、BIG HIPが東海大会進出
◇Text & Photo:M.Hashizume
第21回全日本フットサル選手権静岡県大会の決勝トーナメントが29日、袋井市のエコパサブアリーナで行われ、準決勝に勝利した大和撫子/VIORA藤枝とBIG HIPが東海大会出場を決めた。
決勝は大和撫子がBIG HIPに勝利し、県大会初優勝を果たした。県東部勢対決となった3位決定戦はPraia GrandeがBEN Yoshiwaraを下した。
準決勝第1試合大和撫子/VIORA藤枝対Praia Grandeは、序盤から圧力をかける大和撫子が、1分の小長井雄太の先制点を皮切りに開始から約3分で3ゴールを挙げた。3対0大和撫子リードで折り返した後半は、逆にPraiaのペース。現役高校生の山田凱斗の2ゴールなどで追いすがり、スコアは一時4対3になる。だが大和撫子は36分、相手のミスを逃さず阿野光平がだめ押しゴール。これで勝負あった。大和撫子の東海大会進出は4年ぶり。
同第2試合は、前日の予選ラウンドで同大会4連覇中だったDELIZIA磐田に勝ったBEN Yoshiwara とBIG HIPの県1部対決だった。BIG HIPは12分の野中達也の先制ゴールでペースをつかみ、カウンターで着々と加点。31分からの相手パワープレーも1点に封じ、初の東海行き切符をつかんだ。
●第21回全日本フットサル選手権静岡県大会試合結果
【準決勝】
大和撫子/VIORA藤枝 6-3 Praia Grande
BIG HIP 6-2 BEN Yoshiwara
【3位決定戦】
Praia Grande 6-1 BEN Yoshiwara
【決勝】
大和撫子/VIORA藤枝 4-1 BIG HIP
大和撫子/VIORA藤枝阿野光平選手[11]コメント
「優勝という結果が出てうれしく思う。今大会は4試合、みんなDFから集中して入れたのが良かったと思う。(準決勝、立ち上がりから立て続けに3点)予定外だった。こんなゲームは普段はない。みんなびっくりしていた。(両角など、深い位置によくボールが入っていた)相手のやり方をきちんと分析した上で、個々の戦術の幅が広がった結果。1対1は絶対に負けないようにと話していた。(4年前の初出場は記憶しているか)ファルコに前半から3点ぐらい決められた。今年は東海でも優勝して、Fリーグのチームと対戦したい。(地域チャンピオンズリーグ出場の経験は生きているか)かなり生きている。あの楽しい舞台に出たいというモチベーションがみんなの中で高まっている。昨年度、それを初めて知ったので。(チームの状態が良いように見える)切磋琢磨してポジション争いができている。チームの成長にもつながっている。(東海大会への抱負を)絶対に優勝する」
大和撫子/VIORA藤枝野木武臣選手[4]コメント
「ようやく県大会で勝つことができた。とてもうれしい。(4年前の初出場で印象に残っていることは)ファルコと対戦したが、立ち上がりから飲まれてしまっていた。終始向こうのペースだった記憶がある。だが同じ轍は踏まない。今年は全日本に出場するチャンスととらえている。(地域チャンピオンズリーグの経験も)全国の舞台でやりたいという気持ちは非常に強くなっている。全日本選手権に出て、公式戦では対戦がないFリーグのチームに挑みたい。特にフウガドールすみだと試合をしたい」
BIG HIP高林和寛選手[10]コメント
「大会前はベスト4が目標だった。準決勝のBENは相性の良い相手だったので、僕ららしいフットサルで結果が残せた。(県リーグの開幕節でも勝利している)きょうも相性の良さが出た。ボール回しよりも、シンプルに得点を狙うのが僕らのやり方。ブレずに続けているところ。(カウンター主体の戦い方だった)我慢我慢で。ロングボールはゴレイロを含めて精度に自信があるので、そこを信じて走るだけ。(決勝戦の手ごたえは)フィールド6人で回したが、1点は取れた。何かを残せたと思う。全員が声を掛け合って、最後は体を張ることができた。(東海大会の抱負を)デリッツィアが負けてしまったので、静岡県西部の代表として結果を残さなくてはいけない。まずは1勝。僕ららしく楽しんできたい」
一歩目の速さを生かした鋭い突破を見せ、準決勝で2ゴールを挙げた大和撫子小長井雄太[13]
頑強な体と直線的なドリブルでチームを引っ張ったBIG HIP青島裕記[7]
予選ラウンドでデリッツィアを降したBENは山本佑太[11]のゴールで追いすがったが、及ばず
Praiaは準決勝で15歳の山田凱斗[14]が2ゴールの活躍。名門チームの未来を担う逸材
SuperSports XEBIO Fリーグ2015/2016第21節 、アグレミーナ浜松はシュライカー大阪に3対11で完敗しました。
試合経過は静岡新聞の青木記者が書いた記事(↓)を参照していただくとして、ここでは個人的に試合のポイントだったと感じた、前半15分ごろの攻防を紹介しましょう。
・http://www.at-s.com/sports/article/shizuoka/agleymina/155815.html
大阪は序盤からアルトゥールがパス回しで攻撃のリズムを作り、8分までに左からの攻撃で森秀太、ヴィニシウスが連続得点。浜松は10分ごろまで、単発なカウンター攻撃に終始します。
帰陣の速い大阪に対して、浜松はゴール前に人数を割いた影響で分厚い攻撃ができません。反攻に転じたのは12分でした。ペナルティエリア外まで持ち上がった浜松ゴレイロ石黒紘久が、相手DFの間を通す絶妙なスルーパス。これに田中智基が反応し、ゴレイロとの1対1の局面を迎えます。しかし、一つフェイントを入れて放った低いシュートは、右ポストに阻まれてしまいます。この時間帯までに訪れた最大のチャンスでしたが、ゴールすることはできませんでした。
このプレー以後、大阪の選手たちは「背後」への意識が生まれたのか、重心が若干後ろ寄りになります。浜松のセットは田中智、野嶋倫、須藤慎一、小池良平。浜松の誇るテクニカルな4選手が、パスと仕掛けのバランスが取れた攻撃を披露し、大阪陣内での場面が多くなります。
ここで浜松の豊島明コーチはタイムアウト。序盤の同セットでの失点シーンに対しての注意喚起をし、再び同じセットをピッチに送り出します。
ゲームの趨勢を決めたのは、この時の大阪木暮賢一郎監督の対応ではないでしょうか。相手タイムアウトをうまく活用し、佐藤亮、アルトゥールの安定感のあるパサー2人に、前線でボールキープできる左右のピヴォとしてヴィニシウス、小曽戸允哉(厳密にはピヴォ的な選手ではありませんが…)を起用。練習でも組んでいないセットでしたが、前の2枚が左右カドで起点を作り、全体を押し上げることに成功します。
浜松はラインが下がり、ゴール前でフラットな守備陣形に「させられて」しまいます。サイドでキープする大阪の選手に対して複数で対応することを余儀なくされ、結果的に第2PKマークあたりに位置取りする相手選手との距離が開き始めます。アルトゥールの落としから小曽戸が決めた3点目は、まさにそのエリアを使われた失点でした。
浜松は直後にパワープレーを始めますが、この日は大阪のプレスを警戒してか、こわごわボールを回している印象。前線でボールをかっさらわれ、2点を追加されました。前半を終えて0対5。ゲームは前半でほぼ決まりました。
写真をいくつか掲載します。大阪との対戦では、森、加藤未渚実というかつて東海リーグで活躍した選手のプレーも楽しみの一つ。この日は浜松の選手として大野一輝、田中充彦も出場していて、元名古屋オーシャンズサテライト、元ロボガト対決も見られました。
text & photo: Mitsuru Hashizume