7月26日の日曜日にエコパサブアリーナを会場に開催された2009東海1部リーグ第2節には、行われた全5試合のすべてに静岡県所属チームが登場しました。
このレポートでは第3試合から第5試合まで、各試合の様子を少しづつですがご紹介します
■XEBRA SHIZUOKA vs DANNY FC / Emerson
静岡県に所属するチーム同士の対戦となったこの試合、参加選手以外にも100人以上集まった観客にとって、実は試合の行方以上に大きく注目されていた事がある。
それはXEBRA SHIZUOKAの6番、安藤栄太選手がこの試合を最後にチームを離れるのではないか?という噂が広がっていたからだ。
噂の真偽は定かではないが、この試合はその安藤栄太選手を中心に写真を掲載したい。
これまで同様にスタート5としてキックオフを迎えた安藤だが、いつもながらの入りの悪さを露呈するXEBRAは開始早々、Emersonに先制ゴールを奪われてしまう。とは言うものの、自力に勝るXEBRAはあせることなくボールをつなぐ。
安藤も攻守に渡り積極的なプレーを披露。ゴール前にも何度となく顔を出すものの、最後のワンタッチが合わずゴールが奪えないまま前半終了。しかしスコアは松浦、剣持、小嶋のゴールで3-1とXEBRAが試合をひっくり返していた。
後半に入ってもXEBRAペースの試合で時間が進み、横山、剣持がゴールを奪い5-1と試合の行方はほぼ決したものの、安藤にはゴールが生まれないまま時間が過ぎる。
観客席からは「栄太にゴールを!」という祈りが強くピッチに注がれ、大きな声援が湧き上がる。
そんな中、試合もまもなく終了かという38分、右サイドをフリーで抜け出した安藤にボールが渡ると、これをゴレイロの動きを見ながら落ち着いてゴールへ蹴り込み、本人はもちろんXEBRAサポーターにとっても待望のゴールが生まれた。
結局、最終スコアは6-2でXEBRAの勝利となったこの試合ではあるが、今季、どちらもチームの運営体制に大きな変化を生じているだけに、今後の東海リーグ参戦に向けそれぞれのチームのよりいっそうの結束に期待したい。
(※この日の第5試合でPraiaとGANGが引き分けたため、2連勝のXEBRAが第2節終了時点で東海1部リーグの首位となった。
■Frontier FC vs ROVERS. Ladies
静岡県所属の両チームによる東海女子の一戦。
Frontier FCはご存知の通り、昨シーズンの東海女子のチャンピオンで今季も連覇に向け意識は高い。
対するROVERSはメンバーの集まりに不安はあるものの、若手からベテランまでが参加し精一杯の戦いを見せる。
試合はROVERSの蔦木や戸塚が時折ドリブルで仕掛けるが、Frontierは落ち着いて対応、終始Frontierが優勢に進め8-0で完勝、連覇へ向け好スタートを切った。
■この日の最後の試合は今シーズン序盤の注目の一戦、Praia Grande vs Member of
the GANG/IGAUENO(三重県)の対戦です
第1節で新生Emersonに9-0と大勝し好スタートを切ったGANG。対するPraiaも第1節で2部からの昇格組のジュビロに食い下がられはしたものの4-2で退け白星発進。
わずか6チームでのリーグ戦なだけに、序盤での1敗はどうしても避けたいところだが、どちらも守備に偏る気持ちはかけらも見られず「攻撃は最大の防御」を地で行く、お互いスピードを落とさず激しく動き回り最後まで勝ちに行く気持ちが前面に出た試合だった。
試合は、GANGがほぼオールコートで運動量を発揮し、激しくPraiaを攻め立てる展開でスタート。
3分に石川勝也、6分には木村雄一がゴールを奪い2-0となる。
2点を先行されたPraiaだが直後にコート中央から一瞬フリーで抜け出した渡邉純にパスが通る。飛び出したゴレイロをワンタッチでかわした渡邉が丁寧にゴールへ流し込み1点を返す。
しかし、この日のGANGの仕掛けに手を焼くPraiaはファールを重ね、17分に6個目のファールを犯し第2PKを与えてしまうと、この跳ね返りを再びGANG木村に押し込まれてしまった。
この嫌な流れを断ち切ったのは、またしてもPraiaの渡邉だった。GANGゴール左前でのフリーキックを、ほぼ隙間のなかったニアポスト側に直接蹴りこみ2-3として前半を終えた。
後半の立ち上がりから、Praiaはパスの精度に気を配った試合運びでボールを保持する時間を作り出すと、前半から良い動きを見せていたベテラン渡邉が右サイドからも左サイドからも積極的に仕掛けシュートを放つ。
渡邉の3個目のゴールこそ生まれなかったが、26分、渡邉の放ったシュートから得たコーナーキックが相手の自殺点(公式記録は草葉大介のゴール?)を誘い3-3の同点に追いついた。
その後、前半とは逆に5個目のファールに達してしまったGANGは思い切った仕掛けが出来ず時間を消費してしまう。
しかし、Praiaも勝ち越しとなる4点目を奪えず、結局、3-3の引き分けでタイムアップを迎えた。
試合後、渡邉がつぶやいていた「勝ちきれなかった・・・」の言葉どおり、Praiaには試合をひっくり返して終えるチャンスがあったかもしれない。が、常に先手を取られたこの試合を、まずは負けずに終えた結果を前向きに捉えて次節以降につなげて欲しいと思う。
一方のGANGには打倒!静岡の心意気を充分に見させてもらった気がする。
第3節、第4節はGANGのホーム「ゆめドーム上野」での連戦となる。
静岡県関係者としては、特に第4節でのジュビロ vs GANGの一戦が今から楽しみだ。
■最後に、この試合を間近で見た者としての個人的な感想をひとつだけ。
試合には微妙な判定がつきものではあるが、前後半ともどちらかのチームが5ファールに達する展開の中、一つ一つのジャッジにこだわらず、冷静に試合を続ける両チームには東海1部でチャンピオンを目指すチームの器の広さを感じた。
また、これだけ高速で選手が動き回るゲームを経験したレフリーも、選手に負けないフィジカルを備えなければいけないことを実感し意識が高まるきっかけになる事と思う。
良い試合が良いレフリーを作るきっかけになるであろうし、良いジャッジが良い選手、良いチームを育てることは間違いないと思う。
審判と選手、決して馴れ合いは良くないが、お互い持ちつ持たれつの関係を理解しながら最高のリーグを作って欲しいと感じた。
とりあえず、横山、西野両審判、お疲れ様でした。