第11回東海選抜大会を伝える橋爪レポートはこちら。
▼東海選抜大会/三重県選抜、継続性を生かした3連覇
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三重県選抜関係者にとっては昨年登りつめる事が出来なかった頂への再挑戦の権利を手にするために絶対に勝たなければならない戦い、そして静岡県関係者にとっては地元開催の東海選抜での3年連続敗退だけは避けたい強い想いが詰まった決勝戦だった。
結末は冒頭でご紹介した橋爪レポートのタイトルや、当ブログでも既報のとおり三重県選抜の3連覇で大会は終了した。
「2度ある事は3度ある!」のか「3度目の正直!」なのか!? それぞれのチームが、それぞれの想いで目指した北の大地「北海道」への1枠を掴み取る戦いを簡単に振り返ってみたい。
三重県選抜は第1試合から、池山隼也に代えて小久保武がベンチ入りした。その小久保だけが、唯一、昨年の全国経験を持たない選手だ。
一方の静岡県選抜は初戦とまったく同じ12名がベンチ入りとなる。負傷の影響が心配されたゴレイロの皆川も先発リストに含まれていた。
試合は静岡県選抜のキックオフで開始。
先制ゴールは今季、三重県選抜のキャプテンを任された本渡幸一が奪う。
決して闘志を前面に出し味方を鼓舞するタイプの選手ではないが、この日の第1試合でも先制ゴールを奪いチームのエネルギーを引き出すきっかけを作っている。
決勝でのこのゴールは、第1試合から決勝戦まで約5時間のインターバルで冷めきった体と頭を甦らせたゴールでもあった。好天に恵まれた屋外で思い思いに時間を費やしていた選手たち、頭ではわかっていても、そのインターバルの長さは目に見えぬ敵となりえるほど選手のコンディションに影響を与えていたのではないだろうか?
対する我等が静岡県選抜、昨年の決勝でも開始早々に先制され、さらに連続失点でペースを握られた苦い経験がある。が、今季、静岡のキャプテンとして「結果を出す!」ことにこだわってきた伊藤豊大が三重の勢いにストップをかけた。
三重ゴール正面、ペナルティエリアライン上からの間接フリーキックを松浦公亮が小さく動かし、伊藤が決め同点に追いついた。
さらに1分後、今季、久しぶりに選抜のリストに名を連ねたベテラン向島雅之の頑張りから松浦が足元の技を披露し逆転ゴールを奪う。
この日の初戦同様に一旦は逆転を許した三重県選抜だったが、試合展開にあせりは見せない。
ギャングセットを軸に静岡にその後の主導権を奪われる事なく試合を進めると、森重則が試合を振り出しに戻すゴールを奪う。
ペナルティーエリア内でボールの処理に各選手間の明確な連携が取れなかったその隙を突かれ、森に押し込まれてしまった。
静岡にとっては、このゴールシーンはもちろん、リードしてからこの時間帯までにもう一押し出来なかったことが悔やまれる。
それでも2-2とある意味、悪くないスコアで折り返した静岡だったが、後半開始直後、三重の峯山宗丈に決められ勝ち越されてしまう。
気を引き締めて入ったはずの後半立ち上がりにしては、あまりにあっけない失点だった。
さらに木村雄一のシュートをきっかけに、そのこぼれ球を石川哲也から石川勝也と丁寧につながれ連続失点。2点のビハインドとなってしまった。
反撃に転じたい静岡は残り10分を切り今季選抜に復帰した門田雄輔のアシストでベテラン野木武臣が1点を返したものの、その後は特に策を施せぬまま時間だけが経過する。
終了間際には木村にとどめの一撃を喰らい万事休す、今年もまた全国大会に静岡の名を進めることが出来なかった。
今年の男子選抜活動を振り返ってみよう。
年度が変わって間もない4月8日、静岡市中央体育館で今年の選抜チームはスタートを切った。
その後、追加招集も行いながら数度の練習、数度のトレーニングマッチを消化し本番に臨んだ静岡県選抜、昨年と比べ活動の中身も雰囲気も間違いなく向上していたと思う。
チーム活動を優先したい時期にあっても選抜としての集まりに時間を割いてくれた選手、スタッフには心からお疲れ様の言葉をかけてあげたい。また今季の選抜活動に施設を提供していただいたデスポルチ・クラップス関係者のみなさんにもお礼をさせて頂きたいと思う。
今年、ベンチ入りを果たした12名の顔ぶれは、昨年の決勝戦から7名が入れ替わっていた。ベンチ入りできなかった中にも選抜初招集を含めた若くのびしろのある選手が多く含まれている。
今年のように豊富な競技経験を持つコーチ陣も含めたベテラン勢と共に活動する事で、若い力がさらに伸びるきっかけになることと思う。
また、昨年の選抜メンバーから、剣持貴充、蓮池紳吾、本田拓磨の3名が今季、Fリーグのステージへと歩みを進めた静岡県選抜。各選手の今季の活躍を願う事はもちろんであるが、今年の選抜メンバーの中からも日本のトップリーグを視野に入れた選手が育つ事を期待したい。
最後に今年の東海選抜大会を終えての筆者なりの想いではあるが・・・3年連続での地域予選敗退に頭を抱えている暇はない。冒頭の橋爪氏のレポートタイトルにも含まれる「継続」の文字、今の静岡にとって必要なものはその二文字に尽きると思う。
◆得点経過(※公式記録による)
▼前半
4分→三重:本渡幸一(11)
8分→静岡:伊藤豊大(9)
9分→静岡:松浦公亮(8)
14分→三重:森重則(13)
▼後半
21分→三重:峯山宗丈(4)
28分→三重:石川勝也(3)
31分→静岡:野木武臣(4)
38分→三重:木村雄一(14)
※以下、第11回東海選抜大会の決勝戦、「静岡 vs 三重」のフォトギャラリーを掲載させて頂きます。