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先週の金曜日(7/6)の夕方から、名古屋市内のホテル、及びテバオーシャンアリーナで行われた東海地域初の試み、「東海地域フットサル女子選抜候補トレーニングキャンプ」へ参加してきました。「東海地域初の試み」と書きましたが、実質「日本で初の試み」であるとも言えると思います。

▲初日の午前、ピッチでの最初のセッション前に参加者全員で集合写真を撮影。その後、本格的な練習へ。総勢30名規模でのトレーニングが開始となる。

 

 その主旨、目的ですが

◆「フットサル日本女子代表の目標やそのコンセプトを地域のトップレベルで活動する選手、スタッフと共有し、浸透させる」
◆「地域の女子フットサル競技レベルの向上」
◆「指導者の養成と指導方針のベクトル合わせ」
◆「代表チームスタッフと地域との連携強化」
◆「国内戦力の把握」

などが主なものとして挙げられます。今回、筆者は一指導者の立場でトレーニングのサポートと、自分自身の指導者としての勉強のための心づもりでこのトレーニングキャンプに参加をさせていただきました。

 

さて、このトレーニングキャンプ、いったいどんなものだったのか?・・・決して広報役を兼ねていたわけではないのですが、開催までの経緯やそのコンセプト、そして実際のトレーニングなどについて、みなさんの目に届く場所に掲載する事も、広い意味でのこの事業の役割だと捉え、フットデ静岡のブログへの掲載をさせていただく事としました。

▲まずは参加者全員でのミーティング、配布された資料に目を通しながら開始を待つ選手たち。午前と夕方のミーティング会場はテバオーシャンアリーナのプレスルーム。夜間のミーティングは宿舎のホテルの会議室で行われた。

 

その第1回目として、フットサル日本女子代表チームの在原正明監督と、同じく石森由紀コーチのお話を中心に主に【文字】として掲載したいと思います。

▲左から、在原正明監督、石森由紀コーチ、そして代表メンバーとして参加していただいた、芝原夏奈選手(旧姓:渡辺夏奈選手)と右端がスペインから帰国直後の中島詩織選手。選手お二人にもコメントを頂いています。【実施報告】Part2でご紹介させて頂きます。

 

現フットサル日本女子代表チームの監督を務める在原正明氏は、ご存知の方も多いと思いますが、先のAFCフットサル選手権で頂点に立った男子の日本代表を率いる、ミゲル・ロドリゴ監督の通訳として、あるいはコーチとしてチームを支える立場でもあります。

 

指導理論についても自らスペインで学び、当然ですがスペイン人であるミゲル監督が日本に持ち込もうとしている、いわゆる「インテグラル・トレーニング」を熟知し指導の現場でも実践されている方です。

 

筆者は昨年11月に静岡県内(伊豆市の日本サイクルスポーツセンター「ベロドローム」)で行われた世界大会参加を目前にした女子代表チームの練習を取材させて頂きました。
実際、そこで目にしたトレーニングは男子の日本代表のものとほぼ同じ組み立てで進められていました。

 

その在原監督は今回のトレーニングキャンプについて、「大会最終日にスペイン代表チームと世界大会での決勝戦を戦うことを想定し、そのためのリアルな準備として1泊2日のトレーニングを組み立てる。」と、その目的意識の高さをまず口にされました。

▲セットプレーの重要性を常に口する在原監督。攻撃のためのトレーニングとして初日のセッションで時間を割いた。

▲トレーニングメニューはセットプレー以外はすべてディフェンスにフォーカスしたものばかり。在原監督はたびたびプレーを止め、ポジショニングやプレスの向き、強さなどを指導。

 

そして今回のトレーニングキャンプの本来の主旨にも触れ、「代表チームの活動を知ってもらう事は、地域だけで活動する女子選手、あるいは女子チームの指導者にとって、意識の変化を起こすきっかけになると思う。この経験から自分達にも代表への道があることを知り、それに向けて頑張る選手が出現したり、埋もれた原石を見つけ出す指導者の目を育てる事につながれば。」
さらに「代表チームの一人歩きは危険。地域のチームやそこでの指導者が、代表チームが目指すコンセプトを理解し共有していくことでその動きが加速すると思う。」とご自身の考え方を話されました。

▲明りを落とした部屋の中で、真剣な視線をスクリーンに送る参加選手たち。ここまで仕上げられたミーティングへの参加はほとんどの選手が初めてだったのではないだろうか。

 

▲場面々々で映像を止め、状況の分析を行うやり方は代表合宿の「それ」とも同じなのだろう。

 

この東海地域での開催については、「まずは自分が監督に就任してから選手を招集した4つの地域、関東、関西、九州とこの東海の関係者にこのような企画でのトレーニング開催の現実性を問いかけさせて頂きました。その中で、この東海がいち早く賛同し、実現へ向けて動いていただいた、と言う事です。実は来週末(実際は今週末)に関西地域でも同様の活動を予定しています。今後は全国9地域で展開できれば素晴らしい事ですし、その時に向けたモデルケースとしても非常に重要な機会だと捉えています。」と続けてお話されました。

▲在原監督がおっしゃった「代表招集があった地域」と言う事は、東海は「ちんたん」のおかげだと言う事!?青山実苗の継続招集を期待することはもちろんだが、彼女に続く代表選手の輩出も地域として取り組むべきテーマだろう。右はこのトレーニングキャンプ参加が決まってから負傷した谷下友希。ボールを蹴ることはできない状態ながらすべてのセッションをピッチ上で見学。

 

さらに、今年は男子代表のワールドカップ出場もあり、「どれだけ時間が取れるかわかりませんが。」との前置きで、「出来る限りの視察をチャンスがある限り行いたい。」ともおっしゃっていました。
実際、昨年度も東海女子リーグの視察に見えましたし、関西などへも積極的に足を運んだ在原監督ですので、必ずや次の世代への原石を見つけ出し、女子代表の強化、発展に尽力されることと確信しています。

 

 

 在原監督は、指導にかかわる立場の方へ向け「チームの基本戦術の考え方がどうであれ、決まったイメージの中だけにとどまらないで欲しい。前プレだろうがゾーンだろうが、あるいはセットプレーの決め事だろうが、とにかくオールラウンドに対応できる選手育成を目指して欲しい。」と付け加えた事も記しておきます。

▲どのセッションでもクールダウンの場面では選手の輪の周りをグルリと歩き一人一人と手を合わせ声をかける在原監督。

▲代表でも行われているという「締めの儀式」で一日のトレーニングが終了。

 

最後に、次のリンクをご紹介させて頂き、在原監督からのメッセージのご紹介を終わりにさせて頂きます。
現時点での日本女子代表チームの世界でのポジションなど、非常にわかりやすく、興味深く記されています。女子フットサルを応援してくださる方でしたら、すでにご覧になったエントリーだとは思いますが、より多くの方に目にして頂きたい記事ですので、是非ともご一読ください。

 

http://arihara.office59-blog.com/article/240989169.html

▲男女の日本代表チームに大きく係る在原監督。11月に控える男子のフットサルワールドカップに向け、ますます多忙を極める事になるのだろう。

 

 

 

さて、フットデ静岡としての今回の記事では、もうお一人、今回のトレーニングキャンプに代表コーチの立場そのままに参加していただいた、石森由紀コーチにもお話を伺っていますのでご紹介させて頂きます。

▲初日、最初のセッションのウォーミングアップを行う石森コーチ。

 

石森コーチは「このような活動を実現していただいた東海地域のみなさんへ感謝の気持ちでいっぱいです。」との言葉を何よりも先に口にされました。

 

続けて筆者が尋ねた開催までの経緯については、「昨年12月にブラジルで行われたワールドレディーストーナメントに選手として招集された、いわゆる現日本代表選手の中からも、日本国内における女子フットサル界への危機感のような意見が出ていました。」との言葉が聞かれました。

 

その時点で代表チームを構成していたほとんどの選手は、地域での女子リーグに参加している訳ですが、やはりその現場(リーグ戦全体)の競技意識、競技レベルが停滞していることを危惧したことへの率直な意見なのだと筆者は感じています。

 

アジアインドアゲームスでは2連覇を成し遂げた日本女子代表ではありますが、ワールドレディーストーナメントではスペイン、ロシア、ポルトガルなどの強豪国との対戦や王者ブラジルの戦いを間近で観戦し、世界の頂点を構成する国との絶対的な実力差を肌で感じていたはずです。
その現実を打開するための手段の一つとして、先に記したこのトレーニングキャンプ実施の主旨、目的につながると言う事なのでしょう。

▲ピッチ上でもミーティングでも、監督の声をノートに書き留める石森コーチ。

▲両サイドのゴールを使ったセットプレーでは片側のエンドを石森コーチが担当。選手と共にポジショニングを確認しながらメニューを進める。

 

 「地域で活動する女子選手に、自分達も日本代表の活動、成長にかかわっているのだと言う実感を持ってもらい、それだけでなく代表選手そのものを目指してもらう、そんな意識が全国へ広がり、同様の事業(地域トレーニングキャンプなど)として展開してくれれば。」と続けて話す石森コーチ、実は代表チームへの係りの点では在原監督より長いのです。2007年、2009年とアジアインドアゲームスを2連覇した中村恭平前監督のもとでもコーチとしてチームをサポートしていた彼女だからこそ、選手とのコミュニケーションを重ねる中で感じている「本音」として、今後の日本女子フットサル界への期待の言葉だと感じました。

▲最終日の午後に行った名古屋オーシャンズU-15とのトレーニングマッチ終盤、ピッチに視線を送る在原監督と石森コーチ。女子チームにとっては規格外のスピード、パススピードを持ったチームだったが、それなりの成果を感じる場面では笑顔が現われる。

 

在原監督と石森コーチ、スタッフミーティングを入れての3日間、お疲れ様でした。
そしてありがとうございました。

今後のお2人のご活躍と女子フットサルの発展を大いに期待し、第1回目の記事を締めさせて頂きます。

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