9月13日にエコパサブアリーナで行なわれた東海女子フットサルリーグ。
今季の東海女子は1節を2回に分けて変則的に行っているため、この日の開催は「第2節の後半」となります。(ちなみに第3節前半もすでに消化済み)
そんなことはどうでもいい?として、この日は静岡県に所属する3チームすべてが登場、特に第4試合に予定されている【Frontier FC vs golrira shizuoka】の対戦は白熱した好ゲームが予感される、楽しみな一戦です。
▼まずは第2試合【FALCO GIFU vs ROVERS Ladies】のゲームから。
同じ会場で行われた7月の第1節で静岡のgolrira shizuokaに競り勝っているFALCO GIFU、テクニシャンの(7)加藤、経験豊富な(8)畔上をはじめ岐阜県選抜を数多く擁し、今季の東海女子で目の離せないチームのひとつでしょう。
対する静岡のROVERS Ladiesは、正GK不在など相変わらずギリギリのメンバーでの戦いを余儀なくさせられてはいるものの、これまでの対戦では比較的相性の良いFALCOとの対戦とあって、前節でのオーマイガッ戦での勝利に続き連勝を狙います。
試合は開始4分、ROVERSの(21)戸塚が身体能力を生かしたドリブルからシュートを決め先制。
その後も、(21)戸塚や(5)蔦木がドリブルでのカウンターを再三仕掛けますが、FALCOもしっかり守り追加点が奪えません。
逆にFALCOは丁寧にボールをつなぐ攻めで、9分に(8)畔上、前半終了間際の19分には(7)加藤がゴールを決め2-1と逆転して後半へ折り返します。
後半はどちらもチャンスを決めきれずしばらく進みますが、29分FALCOの(8)畔上が自身この日2点目となるゴールで追加点を奪い3-1とリードを広げます。
35分にROVERSは(21)戸塚がゴールを決め1点差に詰め寄りますが、直後の36分にFALCOの(7)加藤にゴールを許し追撃体勢に移れません。
終了間際の39分に(21)戸塚がハットトリックを達成する3点目を奪ったものの、試合は4-3でFALCO GIFUの勝利で終了。
少人数で戦ったROVERSはやはり攻めに人数をかけられず個人頼みの攻撃に成らざるを得ませんでしたが、後一歩廻りの選手がサポート出来れば違った結果で終われたゲームだったかも知れません。
FALCO GIFUはこれで今季2連勝、週末の全日本女子東海予選へ向け良い材料となったのではないでしょうか?
▼【Frontier FC vs golrira shizuoka】
先に行われた、全日本女子フットサル選手権の静岡県予選決勝でも対戦している両チーム。
その試合では、延長でも決着がつかずPK戦までもつれ込む戦いとなっているだけに、この試合でも白熱した戦いとなることを誰もが予感していたに違いありません。
静岡を代表する女子チーム同士の対戦とあって、試合開始のホイッスルがなった時点でピッチ上にいた両チームあわせての選手10人は、すべて昨年度の静岡県選抜に招集されていたメンバーです。
この試合、もっとも注目したのは立ち上がりからのgolriraの攻撃の組み立てでした。
ゴレイロ(1)前田からのボールフィードを、あえて低い位置まで下がった3名のどこかを基点に前線へボールを展開するパターンを繰り返します。
これは、今季Frontierが採用しているY字(イプシロン)でのディフェンスを回避するためのプランだったといえるでしょう。
Y字の前2枚の選手にとっては、プレスに行くにはあまりにも深く遠い位置で、しかも3名が絡んでの展開とあって思い切ったプレッシャーを与える事が出来ません。
golriraにとっては、前2枚のプレスを回避し2列目、3列目にボールを入れることが出来れば、フィジカル、個人技とも高いレベルの選手が多いだけにそこからの勝負には自信を持っていたでしょうし、事実、味方をサポートするために誰もが長い距離を走り続けます。
当然、長い距離のパスですので、精度が伴わず相手にボールを奪われる機会も多いのですが、golriraはこの場面でのディフェンスにもいつもと違った戦い方を見せていました。
相手ボールへのプレッシャーを高い位置から速く、強く、また必要であれば2枚、3枚で追い込んで行く積極さを随所で見せつけます。
対するFrontierは、ゴール前までボールを繋げたチャンスにも、最後のシュートが枠に飛ばず精度を欠きゴールを奪えません。時折、枠をとらえたシュートもgolriraのゴレイロ(1)前田に安定したキャッチで対応されてしまいます。
そんな攻防が続く中、この試合の最初のゴールは前半7分に生まれました。
golrira(7)青山が中央をドリブルで攻め上がると、対応したFrontier(8)安部が左利きの青山を意識しすぎてか、ややプレスを掛ける向きが甘くなったところを、(7)青山は、その得意の左足できれいにゴールへ蹴り込み先制点を奪います。
さらにgolriraは先制ゴールから間もない9分にも(10)田原が追加点を奪い、早い段階で2-0と優位に試合を進めます。
Frontierは前半終盤、(4)小林をゴレイロに入れたパワープレーを見せますが、得点できず前半はこのまま終了となります。
後半に入り、次の1点が重要な事を両チームの選手、ベンチが感じている中での攻防が続きます。
そして、29分、この時間やや押し込まれていたgolriraが鮮やかな速攻でパスをつなぎ、最後はキャプテンの(3)松島が見事にあわせて待望の追加点を奪います。
もう後がないFrontierは前半の終了間際と同様に(4)小林をゴレイロにパワープレーを開始。
不慣れ?なためか、ややぎこちないボール回しで始まったパワープレーも徐々に深い位置までボールが入り始めます。
golriraは集中した守りで対応する緊迫した時間が続いた38分、golriraにとっては不運なオウンゴールで1点を献上してしまいます。
このゴールをきっかけに、Frontierの猛攻が続き39分には(3)川添のゴールで1点差に。さらに決定的かと思われるシュートチャンスが試合終了までの短い時間に何度か訪れますが、golriraが守りきり3-2で試合終了です。
この試合、Frontierは基本的に4枚がセットで入れ替わるパターンで試合を進めていきますが、golriraがこの日見せていた積極的なプレーを選手全員が直接感じ、対応するためには2倍の時間が必要だったといえるかも知れません。
さらに、シュートの精度不足についても、逆を考えればgolriraの積極的なプレスがFrontierのシュートチャンスかに見えた場面で、その選手に焦りの気持ちを感じさせていたとも言えるでしょう。
いずれにしても、golriraにとっては残り2分を除いては会心のゲーム運びだったでしょう。
イプシロン対策も功を奏したばかりか、なにより試合に勝った事はチームにとってもっとも待ち望んでいた結果だっただけに、今後につながる大きな1勝に疑いはないはずです。
一方のFrontierにとっては、週末に迫った全日本女子の東海予選へ向け気持ちを切り替えてほしいと思います。