第19回全日本ユース(U-15)フットサル静岡県大会レポート
主催:一般財団法人静岡県サッカー協会
主管:一般財団法人静岡県サッカー協会第3種委員会
協賛:ラビット急行株式会社
後援:静岡県教育委員会 静岡新聞社・SBS静岡放送
会場:焼津フットサル倶楽部
2つの東海大会出場権を争い、静岡県内12チームによる第19回全日本ユース(U-15)フットサル静岡県大会が10/5焼津フットサル倶楽部にて開催された。
心配された天候は午前中は曇り空だったものの正午頃からは晴れ間が差して選手、父兄、取材陣、運営関係者を味方した。
3チーム4ブロックによる予選リーグではグループ1位のみの準決勝進出を争い、熱い戦いが各ピッチで繰り広げられた。
予選リーグ1位で準決勝進出チームは以下の通り。
▼Aブロック
・清水FC(青)/中東部1位 ※1位にて準決勝進出
・BANREYORE(岡部A)/中西部2位
・SHIZUNAN/中部3位
▼Bブロック
・丸塚中/西部1位
・ロプタ静岡/中部2位 ※1位にて準決勝進出
・アゴーラFC/東部2位
▼Cブロック
・城内FC/中部1位 ※1位にて準決勝進出
・FC雄踏/西部2位
・VALOR/中東部3位
▼Dブロック
・Hero FC/中西部1位 ※1位にて準決勝進出
・アスルクラロ御殿場/東部1位
・清水FC(白)/中東部2位
ベスト4に進出した4チームは技術、フィジカル共に優れたチームであり予選リーグを終えた時点ではどのチームが東海大会進出を勝ち取るかは容易には予想出来なかった。
そして行われた準決勝のカードと結果は以下の通り。
清水FC(青)/Aグループ1位 ※決勝進出/東海大会出場権獲得
6-3
ロプタ静岡/Bグループ1位
城内FC/Cグループ1位
3-4
Hero FC/Dグループ1位 ※決勝進出/東海大会出場権獲得
この結果により清水FC(青)とHero FCが予選リーグから全勝で東海大会出場権を獲得した。
東海大会出場権を獲得した2チームは現時点での「静岡県NO.1」の栄誉を獲得するべく疲労も蓄積されてきた中、熱く激しい決勝戦を戦った。
両チーム共に開始早々から「フットサル」としての技術を随所に見せ、選手個人のポジティブなチャレンジが数多く見れた事は今後の静岡のフットボール界の未来の明るさを感じさせた。
特にHero FCは個人としてもチームとしても「フットサル」ならではの技術と戦術の習得度の高さを見せ、大人のフットサラーを唸らせるようなコンビネーションでゴールに迫った。
しかし戦況は4-1で清水FC(青)がリードし主導権を握る展開。
ここからHero FCが「フットサル」として鍛錬してきたチーム力と絶対勝ちたいという気持ちの強さを見せる。
まずは1点を返し4-2とリードを縮める。
慌てずに積極的なプレーを続けたHero FCは10番原科選手のドリブル突破などを中心にペースを掴んでいく。
するとHero FCコーチ陣はフィールドプレイヤーである2番杉山選手にGKユニフォームを着せてこの年代のゲームではお目にかかる事は少ないであろうパワープレー(GKをFPに変えて攻撃に人数をかけて得点を狙いにいく戦術。)を指示する。
GKと交代するタイミングなども質の高い動きを見せ、相手陣地で数的優位になって同点弾を狙いにいった。
GKがパントキックを蹴る事が出来ないこの年代特有のルールもパワープレーの優位性を引き立てていた。
そしてこの日得点を量産しチームの勝利に大きく貢献していた8番木村選手のFKでのゴールで4-3と1点差とする。
奇を突かれた形となった清水FC(青)はそれでも必死にシュートをブロックし、ガラ空きになったHero FCゴールへの逆襲を狙った。
しかし試合終了間際、素早くボールを回し続けたHero FCのパワープレーがついに同点弾を生む。
GKユニフォームを着ていた2番杉山選手が一瞬フリーになった隙を見逃さず価千金のミドルシュートをゴール左隅に叩き込んだ。
筆者はU-15の大会でこんなにも「フットサル」らしい同点劇を目撃した事に驚き、興奮していた。
試合は3分ハーフの延長戦に突入。
清水FC(青)も同点にされはしたが勝ち越しゴールを狙って積極的な攻撃を延長戦でも繰り返し見せていた。
一方Hero FCはGK1番曽根選手や主将7番中山選手らを中心にゴールを死守し逆転弾を虎視眈々と狙う。
そして延長前半にHero FC18番小林選手がゴール前で左足での鋭いボレーシュートを突き刺し逆転に成功する。
最後まで一進一退の攻防を繰り広げた決勝戦はこのまま5-4でHero FCが勝利し東海大会出場権獲得と共に「静岡県NO.1」の栄誉を大逆転劇でもぎ取った。
試合終了後、嬉しさで涙する選手が1.2人だけではなかったのが非常に印象的だった。