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ウイダーFリーグ第27節アグレミーナ浜松対ペスカドーラ町田が12月23日に浜松アリーナで行われた。

アグレミーナ浜松は前節アウェーでエスポラーダ北海道戦に敗れ連敗を18に伸ばしてしまった。

今節の相手はその連敗前に今季唯一の勝利をしているペスカドーラ町田。

サポーター及び関係者からは今節が2013年最後の試合でありホームゲームである事と即戦力としてXEBRA(静岡市)から新加入した小池がFリーグ初出場となった事などからいよいよホームゲーム初勝利という強い期待感があった。

また笠井、松本、内野らは前節に続き欠場となった。

対するペスカドーラ町田はここ3試合で勝ち点7を獲得し、後期順位は4位とチーム状態は上々だ。

前回の対戦ではペスカドーラ町田がホームゲームで5-0で完封勝利をしている。

その過去の戦績による相性が今節も反映されるのか、もはやそこは払拭されているのか。

試合開始前のメディア関係者の間でもその部分はまだ1つの焦点としざるを得ない状況だった。

 

新加入の小池は23番のユニフォームを身に纏い早速ベンチ入りした。※下段右端より2人目

レジェンドと呼べるベテラン選手とポテンシャルを秘めた中堅選手が融合するペスカドーラ町田。

 

浜松のスタメンは山本(GK)、向島、萩原、曽根田、三輪(C)。

町田のスタメンはイゴール(GK)、本田、金山、滝田、永島。

開始早々に浜松が決定的チャンスを作る。

最後尾でボールを保持した永島に対して曽根田がボールを奪取。

イゴールと1対1になるもグラウンダーのシュートはわずかに左に外れた。

 

開始早々に積極的なディフェンスでボールを奪いビックチャンスを作った曽根田。

 

町田は滝田のミドルシュートから弾かれたボールを金山がオーバーヘッドでシュート。

この波状攻撃を防いだ浜松は三輪→萩原と繋いでカウンターを仕掛けるも町田がストップ。

2分が経過したところで浜松ベンチでは23番小池を含むセカンドセットが交代を待っていた。

サポーターからの拍手の中、小池が次の瞬間Fリーグデビューを果たした。

 

初出場直前にベンチから味方にコーチングする小池。

小池は出場直後の数プレーでこのFリーグの舞台でも「小池らしいプレー」が十分通用すると感じさせた。

 

浜松はセカンドセットは松浦、剣持、田中、小池。

小池はフィクソの位置で守備を統率し、攻撃ではボールポゼッションの中心にいた。

町田は徐々にパス回しを活性化させてシュート数を増やしていくがここまでは浜松がしっかり守れている印象だった。

 

森谷らを基点にして攻撃を組み立てる町田に対して浜松は連動性のある守備を見せていた。

甲斐は時折素早いドリブルで緩急をつけて浜松守備陣を揺さぶった。

 

5分には浜松は蓮池と曽根田をスイッチしたファーストセットを送り込む。

その直後、蓮池がカットインして放ったシュートはイゴールにキャッチされてしまう。

町田は永島がドリブル突破からファイルを誘って得たFKから甲斐がシュートを放つも山本がセーブする。

再び登場した小池はインターセプトの鋭さと空中戦でも負けない強さを見せた。

 

使われるタイプの松浦にとって小池はパスの供給源として今後も頼れる存在になりそうだ。

 

10分、硬直しかけたゲームが動く。

町田は右サイドからのコーナーキックを甲斐がほぼ正面で待っていた滝田にパスを送り素早くシュートを放つ。

1度は防いだかに見えたが、このこぼれ球を金山が押し込んで町田が先制する。

 

ゴール前でのこぼれ球に素早く反応してゴールを奪った金山をイゴールが祝福する。

 

先制された浜松は松浦の突破なので攻勢を高めるが人数的な厚みがなく町田の守備網をなかなか崩せない。

その状況の中、小池は機を見てポジションを上げてミドルシュート放っていく。

 

小池の強烈なトゥーキックは際どいコースに飛んだのだか惜しくもイゴールに弾かれた。

 

11分に町田は滝田からのパスを本田がヒールシュートで狙うもポストに弾かれる。

浜松は三輪のキックインから逆サイドで待つ曽根田にループパスを送る。

これを曽根田がダイレクトで強烈なボレーシュートを放つも惜しくも枠を捉える事が出来ない。

町田はベテラン藤井をピッチインさせてポゼッションを活性化させていく。

森谷の体の張ったターンからのシュートは枠外へ。

浜松はショートカウンターから松浦がゴール前でフリーになった剣持にパスを送る。

しかしイゴールとの1対1で剣持のコースを狙ったシュートはセーブされる。

試合開始直後の曽根田の1対1に続くビックチャンスを浜松は逃してしまった。

 

イゴールとの1対1の決定的チャンスを外し天を仰ぐ剣持。

得意なドリブルで危険なエリアになかなか進入出来なかった曽根田。

 

逆に町田はGKとの1対1を迎えるがこれは山本がセーブ。

直後には山本のフィードから萩原がカットインしてシュートを放つもゴールを割る事は出来ない。

 

小池と甲斐のマッチアップ。小池は技術力が高い相手との駆け引きで随所に勝るプレーを見せた。

 

19分、再び試合が動く。

浜松はポゼッションをスタートさせるところで自陣の危険なエリアでボールを奪われてしまう。

滝田がボールを奪い左サイドの永島に展開する。

永島がサイド突破からシュートを放つとこれをファーサイドで待っていた本田が流し込み町田が2点のリードを広げる。

前半終了間際の大事な時間帯で浜松は痛恨の追加点を与えてしまった。

 

前半終了間際の良い時間帯で追加点を奪った町田。

スローでもキックでもミスらしいミスは無かったイゴールは時折攻撃の起点にもなる安定したパフォーマンスを披露した。

 
イゴールのフィードキックで前半終了。

2-0町田リードで前半を折り返す。

浜松は数回のチャンスをものに出来ず、ミスから追加点を与えてしまう苦しい前半だった。

しかし初出場の小池のプレーは後半での逆襲を期待させてくれる力強いプレーだった。 
 
 
 

後半も本田を起点に攻撃を組み立てる町田。パワーとしなやかさを兼ね備えた好選手だ。

 

後半、浜松はセカンドセットの山本(GK)、松浦、剣持、田中、小池でスタートする

小池、剣持が踏ん張って町田の後半立ち上がりの攻勢を防ぐ。

浜松は向島、萩原、三輪、蓮池を送り込むがここでまたミスから失点をしてしまう。

自陣でボールを奪われ2点目とは逆のパターンで今度はカウンターから本田が左サイドに駆け上がった永島へラストパス。

これを永島が冷静に流し込み3-0と町田がリードを広げる。

 

2点目をアシストした永島が3点目を奪い、町田サポーター席に向かってガッツポーズをする。

3点目の直後に横江が立て続けに2本のシュートを放つ。

 

リードを広げられた浜松は松浦が右サイドで粘り強いキープからシュートを放つが惜しくも枠を捉える事が出来ない。

27分には田中に代わってピッチインした和久田がイエローカードをもらってしまいファールカウントも増えていく。

30分には小池の斜めの鋭いパスから松浦がシュートを放つもこれも決まらない。

しかし劣勢の状況にありながらシュートまで持っていける松浦の攻撃力は目を見張るものがある。

長短のパスを自在に繰り出す小池との連携が高まっていけば面白いホットラインになるのではないかと感じさせた。

そして浜松はシューターが揃う町田に対し10分間を残して5ファールとなってしまい、試合終了まで第2PKに苦しむ事になる。

 

32分町田はイゴールの正確なロングキックが浜松剣持の頭上を超えてマークしていた森谷にボールが収まった。

入れ替わる形になってしまった剣持は森谷をフリーにさせてしまいシュートを打たれる。

これを沈められて4-0と町田がさらにリードを広げた。

 

しなやかなトラップからゴールを奪った森谷。

 
 
更に直後には甲斐が素早い判断を見せる。

ぽっかり空いたスペースにドリブルでカウンターを仕掛け、フリーの横江に相手を引きつけてパスを送る。

これを横江がきっちり決めて1分間で2点を奪い5-0とする。

 

横江のシュートも冷静だったが甲斐の素早いドリブルはファインプレーだった。

 

浜松は曽根田をGKにしてパワープレーを開始。

強いシュートも打てる小池が参加するパワープレーはもちろん初めてだ。

 

曽根田をGKにパワープレーをする浜松。ここでも小池効果は見え隠れしたのだが得点を奪う事は出来なかった。

このシュートは惜しくも枠を外れたが小池のミドルシュートは今後も武器になっていくだろう。

 

37分松浦がファールをしてしまい町田に第2PKが与えられる。

キッカーの横江が放ったシュートを山本がセーブするも金山が素早く反応しゴールへ押し込み6-0とする。

記録はOGとなったがセカンドボールへの強い意識を持っている金山らしいゴールだった。

浜松はこの混戦による接触で負傷した山本を赤窄へと交代させる。

 

セカンドボールに素早い反応を見せた金山が喜びを表現する。

小池は最後までインターセプトの出足の速さを落とさず献身的なディフェンスをし続けた。

素早い展開でパスをさばく技術を持っている曽根田。しかし時折キープしながらボールを運ぶ場面も。

 

38分には再び町田に第2PKが与えられキッカーは横江。

GKは交代したばかりの赤窄。

これを今度は横江が直接決めて7-0と町田が大量リードとした。

 

2回目の第2PKをきっちり決めた横江はこの2ゴールの活躍。

終盤にゴール前で何度かFKのチャンスがあった浜松だったが得点には至らず。

 

39分には浜松のセットプレーのチャンスからボールをキャッチしたイゴールがあわやパワープレー返しとなるドリブルシュートを放つがこれは枠を捉えれなかった。

試合は7-0で町田が大量得点を奪い勝利した。

浜松は無得点で2013年のラストゲームを終え19連敗を喫してしまった。

町田は4位をキープする形になったが得失点差を+7を積み上げれた事は好材料だった。

浜松は保田監督が就任してからこの試合を終え9試合を1巡させた。

チームの調子は上昇しているものの結果として全チームから勝利を挙げる事が出来なかった。

 

小池の活かし方を熟知している保田監督だったが勝利に結びつける事が出来なかった。

 
 
 

記者会見での保田監督と三輪主将。

 

▼試合後の記者会見でのコメント

アグレミーナ浜松/保田監督

「今年最後の試合でこのような結果になってしまい申し訳ないと思ってます。要因としては0-2だった前半はとり返す可能性がありました。後半の3点目は完全なミスからの失点だったのが敗因の1つでこれまでの試合でもこのような事がありました。」

「小池に関しましては期待通りのプレーをしてくれました。ディフェンス、オフェンス共に十分やれる能力を持っています。これからもっとFリーグでの経験を積んでいけば更に上がっていくと思います。」

「Fリーグを1巡しましたがオフェンス、ディフェンス、セットプレーなどどれも通用しないというものは無かったです。しかしフィジカル、個々のスキル、メンタル、この3つが他チームに差があります。その差が結果を左右する上で大きいので良い試合をしても勝者にならなければいけません。」

「2試合無得点の要因ですがチャンスはあり、相手にもミスはあります。そこを決める事が出来ない決定力の違いだと思います。どのチームもアラの高い位置で仕掛けてきますが浜松はそこでパスを選択する傾向になります。悪く言えばそれは逃げのプレーにもなってしまうのでそのあたりも修正していきたいと思います。」

 

アグレミーナ浜松/三輪選手(C)

「自分達のミスからの失点やセットプレーからの失点を減らしていかないとこのような結果になってしまいます。相手のミスを突いて、セットプレーを全員で連動して点を取れるようにしたいです。それが大事だと感じました。」

「質を上げて理解を高めていきたいです。チャンスでの冷静さなど見習っていきたいです。町田との相性に関してですが前回は0-5だったのでそれほど甘くないという事だと思います。」

 

記者会見での関野監督と横江主将。

 
 
▼試合後の記者会見でのコメント

ペスカドーラ町田/関野監督

「重要なゲームでした。プレーオフ進出したい中で現在4位なので上位についていかなければいけません。前期は7位だったので全てが重要なゲームになります。失点をしなかったのも大きいです。前半の立ち上がりと終わりで不安定な部分があったのでそこはシビアに見つめて修正していきたいです。」

 「ジャッピーニャが得点を取れている事は勝利の要因でもありますが他の選手にも良い影響を与えています。金山、横江などの取るべき選手が取っています。」

 「次節の名古屋に関してですが挑戦者の気持ちでいます。過去に名古屋に勝った事が無いので特別な想いがあります。今シーズン中には勝ちたいと思いますが選手はすでに全力を尽くして戦ってくれていて良い状態なので楽しみです。」

 「勝ち点を与えてしまっている浜松との対戦だったのですが以前はそのような事に左右されてプレーの質が変わってしまっていた。しかし今はメンタルの浮き沈みや振り幅が少ない状態です。今は一定のレベルで戦えているので特別意識はしていなかったです。」

 

ペスカドーラ町田/横江選手(C)

「勝ち点3が全てだと思います。先制点を取れた事と後半の3点目を取れた事が大きかったです。先に失点してしまっていたら難しい試合になったと思います。とはいえ簡単な試合は1つも無いので勝ち点を積み重ねていく事が大事です。修正点はいろいろありますが得失点差をプラスに出来た事も良かったと思います。」

「次節の名古屋戦で勝てればプレーオフも見えてきますし、名古屋を倒さなければ優勝もありません。年末もそのままの状態で維持してお客さんに喜んでもらえるような試合をしたいです。」

「勝ち点を与えてしまっている浜松との対戦だった事に関してですが当時は練習の空気に温さがありましたが最近は気の緩みはありませんでした。その相手にも同じメンタリティで臨むだけなので相手との相性などは関係ないです。」

 

 

新加入の小池が高いパフォーマンスでプレーをしたデビュー戦だったが無得点の0-7というスコアがそれ以上に印象深い試合となってしまった。

そして町田との相性という論点は今後は必要無くなった試合と言えるだろう。

折り返し地点9チーム全てと対戦を終えたわけだが後期から指揮をとる保田監督はそれぞれのチームとの初陣だった。

全チームと戦った経験によって次の対戦ではまた違った内容になるだろう。

1/4.5の墨田区セントラルから始まる後期の2順目。

チームに浸透してきている戦術や戦略が結果として現すためにも選手達はこのセントラル2試合を重要に捉えているだろう。

小池の加入でチーム力が上がったのは一目瞭然だが、負傷している主力選手も戻ってきた時の選手編成はまだまだ改善の余地がありそうだ。

とにかく勝利が欲しい浜松にとっては2014年、早々に2試合を戦えるのは良い材料なのではないか。

次節は年明け1/4.5に墨田区総合体育館にてすみだセントラルが開催される。

 

そしてこのレポートを書き終えた直後にアグレミーナ浜松より江藤正博選手の入団に関する下記のリリースがあった。

2013年12月25日 

今シーズンの選手契約合意のお知らせ。

http://anguilla.sblo.jp/article/83108232.html

 

●アグレミーナ浜松  0-7  ペスカドーラ町田

10分 金山(町田) 0-1
19分 本田(町田) 0-2
23分 永島(町田) 0-3
32分 森谷(町田) 0-4
32分 横江(町田) 0-5
27分 OG(町田) 0-6
38分 横江(町田) 0-7 ※第2PK

写真・レポート:奥山泰博

 

それではフォトギャラリーをどうぞ!

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