SuperSports XEBIO Fリーグ2016/2017 レポート
Fリーグ2016/2017開幕節第3試合は、フウガドールすみだが9対0でアグレミーナ浜松に完勝した。
すみだは開始早々、渡井博之が先制点を挙げると11分にはハイプレスから西谷良介が自ら持ち込んで2点目。前半は2対0すみだリードで終えた。浜松は3分に松浦勇武の縦パスに山桐正護がヒールで合わせたシュートがポストをたたいたシーンがあったが、全般にパスの精度を欠いた。
後半はすみだのゴールショー。21分、左サイドで前を向いた太見寿人が体のフェイントでマーカーをずらし、狭いシュートコースを射抜いて3点目。22分には太見の戻しを清水和也が豪快に蹴りこんで4点目。浜松は30分ごろから足が止まり、シュート後のセカンドボールについていけない。
30分、ゴール前の跳ね返りにいち早く反応したすみだがシュートを打ち続け、最後は西谷がフィニッシュ。その20秒後、左キックインから諸江剣語が飛び込んで6点目。後半はこの時間まで、浜松は田中智基の強烈なシュートが唯一のチャンスだったか。
試合時間が残り5分を切ってもすみだは攻撃の手をゆるめない。35分、左サイドを突破してマーカーの前に出た岡山和馬の折り返しが田口元気に当たって7点目。36分、浜松が不用意に与えた左サイド深い位置でのFKから右ポスト脇にポジショニングした太見が合わせて8点目。37分、右サイドを突破した岡山が難しい角度から決めて9点目。試合終了まで足を動かしたすみだの選手たちのコンディションの良さが際立った。
シュート数はすみだ44本に対して浜松は17本。試合後、プレスルームでは「すみだは準会員リーグ、地域リーグのチームと対戦しているかのようだった」「Fリーグというリーグそのもののブランド価値を毀損しかねない」など、ワンサイドゲームに対する厳しい意見が相次いだ。反論することは困難だった。
次節以降のゲームで、アグレミーナ浜松のクラブ、チームとしての奮起を促したい。
▼試合結果
フウガドールすみだ 9-0 アグレミーナ浜松
1分 1⊸0 渡井博之(すみだ)
11分 2-0 西谷良介(すみだ)
21分 3-0 太見寿人(すみだ)
22分 4-0 清水和也(すみだ)
30分 5-0 西谷良介(すみだ)
30分 6-0 諸江剣語(すみだ)
35分 7-0 田口元気(すみだ)
36分 8-0 太見寿人(すみだ)
37分 9-0 岡山和馬(すみだ)
▼すみだ須賀雄大監督
「Fリーグの開幕戦はまだ3回目。これまで勝利がなかったので、勝ちたいという意欲がチーム全体にあった。前半はピンチが多かったが、それを補ってあまりあるチャンスを作れた。こういうゲームを続けるのが今季の目標。リスクマネジメントしながらアグレッシブなゲームをし続けたい」
-大黒選手を起用した理由は?また、欠場明けの出場となった渡井選手の状態は?
「内山GKコーチの意向。5試合のトレーニングマッチで結果が見られた。渡井は試合勘やフィジカルコンディションはまだ上がるという印象だが、トップレベルでプレーできていると思う」
-直前の試合で、(優勝候補ともされる)町田が敗れた。何らかの影響はあったか?
「特に何も思わなかった。神戸も今季強いと思っているので、そうなることもあるだろう。同じように、自分たちの試合でも浜松は強いという印象を抱いて入った」
-金川選手の穴は感じるか?
「まだ1試合勝っただけ。金川の必要性のようなものを感じるのは、チームの状況が悪くなったときだろう。今年のチームは若い選手の意識が高い。金川の穴は、一人で埋めることは難しい。全員で関わっていくのが大事。状況が悪くなった時、それを乗り越えることで若い選手は成長する。大きな心配はしていない」
▼すみだ諸江剣語選手
「良いスタートダッシュができたと思う。おごらずに。次の試合が大事なので、しっかり準備したい」
▼浜松保田健二朗監督
「0対9の大敗だ。前半の早い時間帯、ボールキープする前に失点。後半も早い時間帯に失点してしまった。前半終了時で0対2であればあわてることはなかったが、後半の4失点目で、その後のプレーの質が落ちた。昨年と同じ大敗だが、今年はゲームの中で開幕に向けてやったことが出ていた。悲観的にならずにやっていきたい。
-フィジカルベースの差を感じたが、準備は満足のいくものだったか?
「今年新たに入れたトレーニングもある。現段階では不足しているとは思っていない。すみだはFの中でもフィジカルが強い方。これを簡単に埋めることは難しい」
-最初の失点の原因は?
「今シーズン浸透させようとしている強いプレスをかけ続けたゆえに、こういう結果になった。最初の失点はこちらの準備ができていなかった。マークの受け渡しがルーズになった」
▼須藤慎一選手
「正直、やれる部分とやれない部分がはっきりした。相手は決定的な場面で点を決めた。こちらは決められなかった。その差が出た。若手が出場したが、開幕戦ということで緊張もあったし、いい経験になったと思う。次にフウガとやるときはお返ししたい」
-フィジカルの差を感じたが?
「練習試合では結構走れていると思っていた。しかし、今日は早い段階で息が上がってしまった。正直、今日はコンディションが低い日だった。会場の雰囲気にのまれてしまったのかもしれない」
text & photo: Mitsuru Hashizume