DUARIG Fリーグ2017/2018第10節、小田原セントラル2日目の第3試合は大阪が8対3で湘南に勝利した。大阪はAFCフットサルクラブ選手権後の連勝で、暫定3位に浮上。6連勝で暫定首位に立っていた湘南は、7試合ぶりの敗戦で2位に後退した。
ロドリゴ、植松晃都、林田フェリペ良孝らが果敢に仕掛ける湘南と、懐の深いディフェンスでがっちり受け止め、速い攻撃で押し込む大阪。前半は、大阪がFKから2選手の巧みなブロックで援護された田村友貴が先制ゴールを挙げると、湘南は植松のキープから鍛代元気が蹴りこんで同点。ヒートアップするサポーターの作り出す雰囲気も後押しし、拮抗した展開となった。
後半は徐々に大阪がペースを握る。相手のマンツーマンマークを見切った木暮賢一郎監督は、湘南のキーマンであるロドリゴ、内村の出場を封じるかのような選手起用。24分、大阪は自陣左での湘南植松のミスを見逃さず、ボール奪取した芝野創太が田村につないで勝ち越しゴール。25分には相井忍がゴール前の競り合いを制してヘディングゴールで突き放した。
湘南は1対5とされた残り6分から鍛代、植松をゴレイロに据えたパワープレーを見せるがスコアをひっくり返すことはかなわず。大阪の高精度なパワープレー返しに屈した。
▼試合結果
シュライカー大阪 8-3 湘南ベルマーレ
10分 1⊸0 田村友貴(大阪)
15分 1-1 鍛代元気(湘南)
24分 2-1 田村友貴(大阪)
25分 3-1 相井忍(大阪)
32分 4-1 ヴィニシウス(大阪)
34分 5-1 相井忍(大阪)
35分 5-2 本田真琉虎洲(湘南)
36分 6-2 堀米将太(大阪)
36分 7-2 田村友貴(大阪)
37分 8-2小曽戸允哉(大阪)
40分 8-3 ロドリゴ(湘南)
▼大阪木暮賢一郎監督
「AFC選手権の疲労や精神的なダメージからの回復、相手の方が順位が上であること、アウェー感を感じるピッチなど、このゲームに関するさまざまな要素が、われわれに火をつける、スイッチを入れるきっかけになった。タフなゲームをモノにできて良かった」
-後半の狙いは。
「こういう試合に勝利するためにはインテリジェンスが必要。ハーフタイムには、こういう試合には退場がありがちだと選手を戒めた。相手のスタイルをよく見て、例えばGKにプレッシャーをかけ続けて良さを消した。相手がこちらのマークする選手を決めていたことに気が付いたので、(それを逆手に取って)後半の序盤はヴィニシウス、小曽戸をあえて使わなかった。相手のキーマンである内村、ロドリゴを出させないための戦略だった」
-AFC選手権を終えてリーグ戦に注力できる。
「目の前の試合に集中することがベース。だが、これで目指すタイトルはリーグしかない、となったのも事実。小田原セントラルの2試合で、最下位のチーム、首位のチームというまったく異なる状態の2チームに勝ち切れた。チームに強い火が付いたように思う」
-次節は大一番の名古屋戦。
「Fリーグはこれまでのシーズンを分析すると、勝ち点を80以上取らないと1位になれない、世界的にみてもハードルの高い、ノルマが厳しいリーグ。名古屋との3試合に負けても残りの試合すべてに勝てばよいという考え方もできるが、直接対決は相手の勝ち点を削ぐ機会でもある。両方の局面を見なくてはいけないと思う。名古屋はいま、戦力が充実している。奇策を打つ時間はないのでガチンコで自分たちの力を100%出すだけ。対戦が楽しみだ」
▼湘南奥村敬人監督
「大阪はさすがチャンピオンだ。前半はマンツーマンで相手選手についてこちらのプラン通りに進んだが、後半は経験のある外国人に決められてしまった。AFCで悔しい思いをして、Fリーグで上に行きたいという思いをじかに感じた。一つ一つのプレー判断が速く、的確。こうしたプレーを通年で続けたからこその昨季優勝だったのだろう。ただ、負けて言うのも変だが、楽しいゲームだった。選手がレベルアップするためには、こういう試合が必要だ」
-ロドリゴ選手は効いていたように感じたが。
「確かにそうだが、1対1で抜いても必ずカバーがいた。大阪の対応が良かった」
-相井選手が決めた相手の3点目がポイントか。
「ファールを主張した選手もいたが、ああいった勝負どころの局面で相手を吹っ飛ばしてでも点を取ろうとする姿勢が必要だ」
-植松選手、内村選手の奮闘ぶりが目立った。
「日本代表候補にも選んでいただき、確かに奮闘してはいたが、もっと伸びなくては。きょうの試合相手のブラジル人に勝たなくては、世界でも勝てない。奮闘した、だけではなく彼らに打ち勝ってチームを勝利に導く必要がある」
※TEXT & PHOTO :橋爪充