開催日:2021年3月6日(土)
会場:浜松アリーナ
TEXT & PHOTO :橋爪 充
2021年3月6日に静岡県浜松市の浜松アリーナで行われた第26回全日本フットサル選手権準決勝第2試合、ペスカドーラ町田対フウガドールすみだは2対2のドローだった。前後半5分ずつの延長戦を終えてもスコアは動かず、PK戦を行った。4対3ですみだが制し、7日の決勝への進出を決めた。
球際の激しいバトルと、積極的な仕掛けが際立った一戦。先手を取ったのはすみだだった。8分、町田陣左サイドのキックインを宮崎曉がファーで沈めた。
以後はおおむね町田ペース。毛利元亮、本石猛裕という屈強なピヴォ2枚が前線でしっかりボールを収め、ライン際では伊藤圭汰、中村充、高橋裕大らがリスクを冒して積極的に仕掛けてくる。毛利の反転シュートが2度ポストをたたくなど、スコアとは裏腹に町田が優勢に進めた。
1対0すみだリードで折り返した後半も、町田の攻勢が続いた。すみだは前半の3セットを組み替えた2セットで対応。フィクソの諸江剣語を中心に、確実なシュートブロックでゴールを割らせない。ゴレイロ大黒章太郎のビッグセーブも目立った。
耐え忍ぶ展開が続いたすみだだったが34分、数少ないチャンスをものにする。前半と同じように強いキックインからファーで栗本博生が合わせた。
1点の重みがのしかかる町田は残り4分半から毛利をゴレイロに据えたパワープレーを開始。最後尾のヴィニシウスが左右に強いパスを供給し、すみだのDFをほんろうした。
38分、毛利がマーカーを中に引っ張ったことで本石が左サイドでフリーに。中村からの斜めのパスを落ち着いて決めた。
残り1分を切っても町田の勢いは衰えなかった。相手陣でのリスタートから毛利が前に突進。ファーサイドめがけたシュートパスが、マーカーに当たって浮き球になったところを、ヴィニシウスが左足ボレーで決めた。
延長戦はお互いに決定機が1度ずつ。町田は前半3分、右サイドでヴィニシウスの縦パスを受けた中村がシュートを放つもサイドネット。すみだも前半4分、北村弘樹のドリブルからペナルティエリア内で岡村康平が左足ボレーで狙ったが、町田ゴレイロ・イゴールに阻まれた。
PK戦は、3対3で迎えた5人目で勝負が決まった。町田金山友紀のシュートが左ポストに嫌われた。
決勝進出が決まったすみだの須賀雄大監督は「トランジション(攻守の切り替え)で優位に立てるかで景色が変わってくると思っていた」と試合のポイントを振り返った。「2失点は想像していないような形だった。ある程度仕方がない。イゴールに対して、いかに失点を少なく終盤を迎えられるかがポイントだった」とし、失点0で持ちこたえた時間を評価した。
町田のルイス・ベルナット監督は「前半はピヴォを起点にするプラン。決定機は作れていたが、ゴールが遠かった。相手のセットプレーで集中を切らして失点してしまったことが残念」と述べた。
▼ペスカドーラ町田2-2 フウガドールすみだ
8分 宮崎曉(すみだ)1-0
34分 栗本博生(すみだ)2-0
39分 本石猛裕(町田)2-1
40分 クレパウジ ヴィニシウス(町田)2-2