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開催日:2023年6月10日(土)
会場:浜松アリーナ
TEXT & PHOTO :橋爪充

 

浜松市の浜松アリーナで行われたFリーグ2023/2024ディビジョン2第1節、アグレミーナ浜松対ミラクルスマイル新居浜は8対2で浜松が勝利した。昨シーズン3位の浜松は山桐正護がハットトリックを達成。今季Fリーグ参入の新居浜を一蹴した。

 

浜松は先発ゴレイロにミヤモト・ギルレメを起用。FPは鷲北一輝、柳訓生、巽優太、葛飾から新加入の熊谷貫太郎のセットでスタートを切った。新居浜はFリーグ初のゲームにゴレイロ齋藤遼汰、芝原悠世、穴山成希、青野響、神野史将を先発起用した。

 

立ち上がりからクアトロで押し込む浜松、マンマークで対応する新居浜、という展開が続く。浜松のセカンドセットは山桐、川本樹弥、復帰の内野脩麻、石川颯。新居浜もセカンドセットで対応する。
先制は浜松。6分、左から巽優大が斜めに出したパスを柳が落とし、熊谷が左足トウで決めた。浜松は遠目からのシュートを意識的に使うが、新居浜もシュートコースに体を入れてそれをブロックする。浜松は11分に熊谷、18分には山桐が技ありの反転ループシュートを決めて加点した。

 

新居浜もやられっぱなしではなかった。第1ピリオドの残り5分あたりからは、浜松の守備のばたつきもあり、ゴール前のシーンを増やしていった。19分、左CKからシュートのはね返りを松本隆宏が倒れ込みながら右足で合わせて、クラブのFリーグ初ゴールを挙げた。

1対4とされた第2ピリオドは、積極的に前線からプレスをかける戦術に切り替え、25分には伊東凱がフィクソの近藤光から縦に供給された山なりのロングパスを頭で後方にすらすスーパーゴール。ボールが二つの大きな弧を描いてマウスに吸い込まれた。

 

ここがゲームの分水嶺だった。勢いを得るかに見えた新居浜に対し、浜松・高橋優介監督は相手の封じ込めとゲームの落ち着きを企図し、鷲北、萩原洪拓、山桐、石川のセットをチョイス。これが奏功した。
マイボールの時間を増やし、28分には萩原の左キックインから右サイドの鷲北がきれいなダイレクトボレーを突き刺した。この時間帯に5対2とし、以後もゲームを支配。残り8分半で相手にパワープレーを選択させた。

 

新居浜は近藤をゴレイロに据えたパワープレーを敢行するも、的確な距離で守る浜松の4枚のFPの中にボールを入れるシーンは1度もなかった。メンバーを入れ替え、立ち位置も変更したが、ボール回しのテンポの変化やリスク覚悟の強いパスが見られなかった。およそ8分を無為に過ごしてしまった。

 

浜松はパワープレー返しで3点を加え、トータル8得点。開幕戦最多ゴールを記録した。

 

▼アグレミーナ浜松 8-2 ミラクルスマイル新居浜

6分 熊谷貫太郎(浜松)1-0
11分 熊谷貫太郎(浜松)2-0
18分 山桐正護(浜松)3-0
19分 松本隆宏(新居浜)3-1
19分 内野脩麻(浜松)4-1
25分 伊藤凱(新居浜)4-2
28分 鷲北一輝(浜松)5-2
35分 内野脩麻(浜松)6-2
36分 山桐正護(浜松)7-2
37分 山桐正護(浜松)8-2

 

▼アグレミーナ浜松・高橋優介監督コメント

-試合を振り返って。
「今季は優勝と昇格を目標に掲げているので、リーグ戦での敗戦はない方がいい。開幕戦は勝つことが大きな目的だった。それができてよかった」
-相手は新規参入チーム。分析が難しかったのでは。
「オーシャンカップも見たが、1試合では読み切れないところもあった。自分たちが普段やろうとしていることをまずはしっかりやり、それができなかった時にゲーム中にどう対応するかを課題として、今週は取り組んだ。スカウティングはできなかったが、(ゲームで)苦労することはそんなになかった」
-6分の先制点について。
「やりやすい守備ではなかった。攻撃しにくかった。ただ、だんだん相手に慣れていきながら、選手の中で調整し、2回目に出ていった(ファーストセットで)取れた。スカウティングがあまりない中では理想的だった」
-中央を崩している印象があった。
「ピヴォで起点ができなかったら、今シーズンは勝てないと思っていた。相手は真ん中を絞っていたので、序盤は『サイドを起点に』と言っていた。相手が嫌がって、第1ピリオドの終わり際は縦のパスに全部足を出してくるようになった。そこでピヴォがフェイクをかけて逆サイドに抜ける動きで(崩した)。相手を見ながら、戦略的に布石を打っていった」
-第2ピリオドの立ち上がりに相手の時間帯もあったが、鷲北選手の5点目で流れを取り戻した。
「鷲北選手と萩原選手を併用してリズムを取りたいと考え、2点目を取られた後にそろって送り出した。特に萩原選手。第1ピリオドからタスクを与えて出ていってもらっていた。それをしっかりこなしてくれた。5点目のアシストだけでなく、相手のパワープレーにもプレッシャーをかけてチャンスをつくってくれた」
-次節の葛飾戦に向けて。
「攻撃を終えたときの守備のバランスを修正する必要がある。葛飾は、オーシャンカップでは森岡選手、高橋選手、芝野選手が出ていない。強烈なピヴォで想定されることはあるので、先週から準備はしている。ゴールエリア内でのハングリーさ、粘り強さを出さなくてはいけない」

 

▼アグレミーナ浜松・巽優大選手

-試合を振り返って。
「開幕戦ということで気合いが入っていた。初戦は落とせないとみんなで話していた。勝利という目標をつかめたというのはうれしい。誇れる」
-新居浜の印象、ゲームの入り方についてのプランは。
「新規参入ということで、モチベーションの高さを感じていた。どういう展開になるか分からない中で、先に失点しない、ゲームを壊さないことが大事だった。まずはスムーズにゲームに入ることを意識した」
-相手の時間帯もあったが、第2ピリオドの鷲北選手の5点目が大きかった。
「相手の守備の仕方が変わり、対応に時間がかかった。苦しかったが、練習で狙っていた形で5点目が取れてチームとして明るくなった。あのゴールで流れを取り戻すことができた」
-次節、葛飾戦に向けて。
「今日のゲームは勝ちはしたが、課題はあった。コミュニケーションを取りながら、少しでもいい状態でゲームを迎えられるよう、準備したい」

 

▼ミラクルスマイル新居浜・金本圭監督

-試合の総括を。
「格上を相手に第1ピリオドを4対1で折り返し、点を取らなくてはいけない状況になった。ハーフタイムのロッカールームでは点を取りに行こうと声をかけた。第2ピリオドに2点目を取れたが、直後に失点。パワープレー返しで3点取られた。ただ、チーム全体で勝利を目指せたのは収穫だ。通用したところを次の試合に持ち込みたい」
-第2節白山戦への準備のポイントは。
「このチームにはハードワークというスタイルがある。今日の試合では第1ピリオドの最後の5分間、第2ピリオドの立ち上がりで表現できた。そこを(試合全体を通して)しっかりやっていきたい。パワープレーの精度も高めたい」

 

▼ミラクルスマイル新居浜・塩崎伸卓選手

-Fリーグ初戦。試合の総括を。
「大差がついたが、要所で通用した部分もあった。実力のあるチームを相手に2点取れ、流れがこちらにきた時間帯もあった。長いシーズンを戦う上で、前向きな気持ちを得られた」
-第1ピリオドは相手の2セットに合わせるように2セットを起用。自陣のマンツーマンで守っていた。
「浜松がクアトロでくるというのは分かっていたので、そこに対応する意図だった。第1ピリオドはディフェンスラインをハーフまで下げて守ったが、1対4で折り返した。点を取らないと勝てないので、第2ピリオドは前からいこうと。自分たちから仕掛けようと」
-第1ピリオド残り5分以降、第2ピリオドの滑り出しなど、新居浜が流れをつかんだ時間帯もあった。
「(2対4とした場面で)もう1点決めていたら、その勢いのまま行けただろう。だが、逆にやられてしまった。チームの雰囲気が落ちてしまい、立て直しが難しかった。ああいう場面の切り替えが課題だ」

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