第2回目のレポートは【vs愛知県選抜】です。
■決勝 vs 愛知県選抜
今年の決勝も昨年同様、愛知県選抜との対戦となりました。
初戦となった岐阜戦での立ち上がりのディフェンスの甘さを修正して臨んだはずだったのですが・・・。
中央をドリブルしてきた相手に対し甘い寄せで突破を許すと、最後はフリーの選手にボールをはたかれ簡単に先制点を献上してしまいました。
前半はこの1失点だけでしのいだものの、肝心な攻撃に関してはやはり前線へのボールのおさまりの悪さからか、決定機を作ることが出来ません。
シュートを打つ意識はあるのですが、それも遠い距離からばかりでなかなか枠を捉えられません。
結局、前半はこのまま終了、全国への切符を賭け試合は後半へと進みます。
これ以上の失点は避けたい静岡県選抜でしたが、後半の早い時間にまさかの失点が続きました。
まず、正面やや左より10mほどのフリーキックを低いボールでニアポスト側に直接決められ0-2。
続けて、ゴールから遠い位置での相手キックインからボールを受けた選手がロングシュート、これがゴール前にいた愛知県選手のからだに当たりコースが変わって不運にもゴールイン、0-3。
残り約10分での0-3のビハインド、逆に愛知県選抜は3点のリード、もしかしたら愛知県選抜の選手たちはこの時点で「勝った!」と考えたかもしれません。
いや、確かに流れは観客席の誰もがその通りだと感じるほど愛知県選抜に向かっていたでしょう。
しかし!静岡県選抜の反撃はここから始まりました。
最初の岐阜県選抜戦ではやや精彩を欠いていたかに見えた門田が、河合からの浮き玉を彼らしい身のこなしで裁きゴール正面からゴール!1-3。
この1点で流れは一気に静岡へと傾いたのではないでしょうか?
まだ2点リードしているはずの愛知県選抜に明らかにあせりと不安が感じられるようになり、不用意なファールを積み重ねていきます。
堅く守っていた愛知県選抜のディフェンスに隙間が目立つようになると、そこを見事に通してパスをつなぎ、中澤が右サイドからゴール前を横切るパスを左サイドの剣持へ、剣持が落ち着いてゴールへ蹴りこみ2-3。
さらに、愛知県選抜はファールも5個目を数え、いつ同点ゴールが生まれてもおかしくない状況になりました。
そして、愛知県選抜6個目のファールをペナルティエリアすぐ外側、右45度付近で奪います。
キッカーの小池は10mの第2PKマークを選択。
しかしこれは相手ゴレイロがブロックし同点に追いつけません。
逆に相手の速攻が静岡ゴールに向かいますが、ここで愛知県選抜痛恨のファール。
ボールは再び愛知陣内の第2PKマークに戻されます。
今度のキッカーは門田。
観客席の静岡県関係者からは、おもわず「もんだぁ~っ」の声が!
しかし、彼のシュートはゴール右側に外れてしまいました。
同点にできるチャンスをものにできなかった静岡ですが、あせる気配はまったく見られません。
逆に、愛知県選抜は疲労とファールトラブルで足が止まり強いアタックができず防戦一方の状況になります。
しかしながら、静岡の攻撃も立て続けにポストやバーをたたくなど不運も重なり、なかなか3点目が奪えません。
残り時間が気になり始めた頃、待望の同点ゴールが生まれます。
何本かのパスがつながった後ゴール前に詰めた小池がしぶとく足に当てたゴールで3-3とついに追いつきます。
その小池は、タイマーが残り10秒を切ってからのマイボールも、あえて最後の攻撃に出ずキープして終了、キャプテンとして延長戦への自信が表れたプレーだと感じました。
さらにこの延長戦へのインターバルで、この日初めて静岡県選抜は円陣を組みます。
このタイミングで意識の集中を徹底することや、この日何度となく陥った苦しい場面でも監督自らが決してあせりを見せず逆に余裕すら感じさせる和泉新監督のベンチワークは、プレーヤーとして数多くの修羅場をくぐってきた様々な経験の積み重ねこそが成せるものではないでしょうか。
2試合連続の延長戦突入ですが、静岡県選抜の選手たちには目に見える疲労もなく、落ち着いた雰囲気でゲームが始まります。
愛知県選抜は、後半のファールの累積が持ち越しとなっているため、無理なアタックも躊躇せざるを得ない状況です。
延長前半開始2分、左コーナーキックからのボールを受けた小池が不意を付く強烈なトゥキックのシュートをゴールに突き刺しました。
ついに4-3と逆転です。
延長後半に入り、愛知県選抜はパワープレーを開始。
しかし、静岡県選抜はゴレイロの中森を中心に集中した守備で対応し、危険なシュートを打たせません。
逆に、試合終了の10秒ほど前に剣持が相手ボールをカット、井出に渡し井出は正確なキックで無人の愛知県選抜のゴールへ蹴り込み5-3、静岡県選抜は試合時間を3秒残して2年連続優勝を決定的なものにしました。