第10回静岡県社会人フットサル1部リーグ【第1節】
■LOCO☆ 2 vs 3 F.S.C./PROVA清水フットサルコート
昨シーズンをチームの歴史で最上位となる2位で終えたLOCO☆(以下、ロコ)。東海2部からマトが降格してくるとは言え、今季の1部参加の8チームでは最もマークされる存在と言えるかもしれない。ここ数年、順当に実力チームが東海へ巣立っていく中で結果を出すことが出来るのか?
FSC/PROVA清水フットサルコート(以下、FSC)は昨シーズンの順位こそロコに次ぐ3位の成績だったが、直接対決の結果だけで言えばここ数年ロコには公式戦で負けた事がない。今季、チームの得点源だった代表でもある小林が第一戦を退き、その得点力を補えるかがシーズンを通しての課題だろう。
同時刻に隣のコートで行われている試合は東部支部ダービー。そしてこの試合は同じ中東部支部に所属するチーム同士の対戦と、今年の開幕戦は2つのダービーマッチとなった。
この試合、どちらのチームも圧倒的な強さを感じるわけではないが、組織でのゲーム運びには共に安定感があり、やはり去年の順位は率直に総合力が現れたものと言えるだろう。
この2チームの対戦が第1節で消化されてしまうのは少々惜しい気もするが、両チームにとっては勝ってシーズンに勢いをつけたいところだ。
拮抗した試合展開が予想されたが、その前半、試合は意外な展開に。
まず3分、この試合キャプテンマークを付けるFSCの白鳥がロコのゴール正面で受けたボールを倒れこみながらも強引にシュート。これがこの試合の先制点となる。
先制点からわずか1分後、FSCはゴレイロの小長井からロコ陣内左サイドの高い位置を取る水野にロングフィード。水野はこのボールを胸トラップで鮮やかに処理するとゴール正面でフリーで待つ朝倉へ。朝倉は難なくロコゴールへ蹴りこみあっという間に2点のリードを奪う。
この2点は奪ったFSC、奪われたロコ、どちらにとっても意外なゴールだったかもしれない。それだけ、あっけなく決まってしまったゴールだった。
これ以降、ロコも再三FSCゴールに迫るが、肝心なパスで受け渡しの連携を欠き精度の高いフィニッシュに結びつかない。前半のシュート数でもFSCの12本に対し、ロコのそれは30本、まさにその数字が前半のロコを表していた。
前半のうちに1点でも返したかったロコだったが逆に17分、カウンターからFSCに崩され最後は生出に追加点を許してしまう。
3点のビハインドで後半を迎えたロコだったが、前半同様にパスミス、シュートミスが目立ち1点が奪えない。
一方、元々守りの組織には定評のあるFSCはリスクを犯さず無難なゲーム運びで時計を進める。
残り時間が5分を切ったころ、ロコはベテラン鈴木が1点を返すと、試合時間を2分残し今季キャプテンマークをつける若きエース真田が追加点を奪い2-3と1点差に詰め寄る。
その後も「もしかしたら!?」を感じさせる場面がなかったわけではないが、この日のロコはここまでが精一杯、このまま試合終了のホイッスルとなってしまった。
この試合、ロコは真田が比較的低い位置にとどまる時間が長かったと思う。確かに配球力にも優れたセンスを持ってはいるが、彼の魅力はやはりゴールへ向かったプレーだろう。
さらにボールを奪われた後のディフェンスにおいても甘さを露呈してしまった。いわゆる攻めっぱなしの選手が発生する事で相手のカウンターに対応できない場面がたびたび見受けられた。
FSCは終盤に自慢の守備にほころびが出て2失点してはしまったが、この勝点3はチームにとって大きなアドバンテージになるだろう。何よりも、この試合をスタンドから見守った去年までの10番、誰もが認める大黒柱であった小林がホッと胸をなでおろしたに違いない。
■得点経過(※公式記録による)
▼前半
3分→FSC:白鳥裕巳(17)
4分→FSC:朝倉俊(10)
17分→FSC:生出勇樹(16)
▼後半
36分→LOCO:鈴木慎一(14)
38分→LOCO:真田恭佑(8)