第10回静岡県社会人フットサル1部リーグ【第1節】
■IKAI FUTSAL 1 vs 2 セレゾン浜松フットサルクラブ
チーム発足以降、全日本選手権では好結果を残してきたIKAI FUTSAL(以下、イカイ)が、ようやく2部優勝のタイトルと共に1部リーグの舞台へ登場する事となった。チームのまとまりも良く練習量も豊富なこのチームを1部昇格初年度ながら優勝候補に推す声も多い。そのイカイが静岡の、いや東海の古豪に挑む注目の初戦の時を迎えた。
県リーグが1部制で行なわれていた最後の年(第4回大会)に優勝を果たし、東海の舞台へ進んだセレゾン浜松フットサルクラブ(以下、セレゾン)は、系列施設を母体にFリーグに参入することになったデウソン神戸に多くの選手を輩出した。2シーズンを東海リーグで過ごすもののFリーグ開始翌年には再び県リーグへ降格、以降下位に低迷するものの常に東海リーグ復帰を目指し活動してきた。今季こそ、その目標に手が届くのか?
おなじみの赤いユニフォームを着用するイカイのキックオフで試合開始。
ゲームの入りから人、ボール共に良く動きポゼッションの高いイカイに対し、新調したユニフォームのセレゾンはゴレイロのベテラン坂井を中心に、ハーフで受けあせらずじっくりと守りカウンターを狙う。
終わってみれば0-0の前半だったが、イカイにとってはポゼッションの割にはシュート数が少なく(9本)、逆を言えばセレゾンがボールをつなぐイカイに対し最後まで良い形でフィニッシュさせる事なく全員が集中した厳しい寄せを見せていた。
後半に入ってもボールへの寄せの厳しさを失わないセレゾンがイカイの攻撃を凌ぐと、25分、キャプテンを務める大場が自陣で奪ったボールを自らドリブルで運びそのままシュート。これが決まりセレゾンが均衡を破った。
直後の26分には再び大場がイカイ陣内左コーナー付近にポジションを取ると、シンプルに縦に入ったボールを上手く体の向きを変えシュート。これがイカイゴレイロの新倉の股間を抜け追加点となった。
セレゾンにとっては「守りから速攻」の狙い通りの展開、イカイにとってはストレスの溜まる2失点だ。
その後もシュートを打たせてもらえないイカイだったが、32分にピヴォ当てからの落としを内村が豪快に蹴り込みようやく1点を返す。
このゴールで勢いを復活させたいイカイに対しセレゾンは気持ちを切り替え対応、ボールへの厳しさを失わず残り時間を守りきった。
セレゾンがこの試合で見せた守りはすばらしいものだったと思う。ただ、この試合でもそうだったが、大場頼みの攻撃にプラスアルファがあれば、冒頭で記した目標も実現するのでは?と思わせる試合だった。
一方、後半もシュート8本に終わったイカイは練習どおりの「もう少し良い形でフィニッシュを!」にこだわりがあったのか、ゴールへの貪欲さ、がむしゃらさが足りなかったように思う。
さらにこの試合で4枚の警告を受けたことにも触れたい。長いシーズンを戦うにはレフリーとの折り合いも重要な要素になる。この先迎えるであろう大一番に主力が出場できない事態を避けるためにも、しっかりとこの敗戦を受け入れ、プラスの材料として欲しい。
いずれにしても、1部リーグ開幕4試合を観戦し、「本命不在!」を強く感じた1日だった。
■得点経過(※公式記録による)
▼前半
※両チーム得点なし
▼後半
25分→セレゾン浜松:大場史人(7)
26分→セレゾン浜松:大場史人(7)
32分→IKAI:内村将徳(10)