「高速料金、休日¥1,000-ポッキリ!」の最終日となった、19日の日曜日。
今季の東海リーグは1部、2部同日開催、しかし別会場という状況の中、「やっぱり観たい1部リーグの開幕戦!」を求め、名古屋市は守山スポーツセンターまでハンドルを握ることにしました。
写真撮りに速報、そして新システムによる公式記録の管理作業も横目で見ながら過ごした4試合でした。さらに2部の速報ではチーム関係者、連盟関係者のご協力もあり、なんとか大きな遅延なくご報告出来たかな?と。
ご協力いただいたみなさん、本当にありがとうございました。
いずれにしても今季の東海リーグが開幕(女子は7月3日)したわけですが、休日¥1,000-の高速料金制度の廃止や、主に製造業で行われると言う、土・日出勤のシフト変更は、種目を問わず真剣にアマチュアスポーツに取り組む方にとっては厳しい状況と言わざるを得ないかもしれませんね。
それでも頑張るフットサラーをフットデ静岡は応援します!(と、言いつつ、県外への取材は今後は厳しいかも・・・。)
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■田原FC 2 vs 2 DELIZIA磐田
昨年の東海1部開幕戦でも対戦した両チーム(DELIZIA磐田は前身のジュビロ磐田として)、1部昇格を決め意気揚々と試合に臨んだ田原FCは0-7という思いもよらないスコアでの敗戦を喫し、その後のリーグでの戦いで精彩を欠くこととなった。
田原FCはその後の公式戦(PUMAカップ県大会決勝)でジュビロ磐田に競り勝ち、気持ちの上では一区切り付いてはいるものの、やはり「リーグ戦での借りはリーグ戦で返したい。」の思いも強いだろう。今季はFリーグの舞台を経験した松本が加入し、昨年以上の目標に向かいスタートを切る。
対するDELIZIA磐田(ジュビロ磐田)は田原FCとは対照的に7-0でスタートを切った昨季を、そのままの勢いで独走し念願の東海王者の称号を手にした。諸事情によりチーム名の変更となり迎える今季、ディフェンディングチャンピオンとしての誇りとチャレンジャーとしての謙虚さを肝に銘じたスタートとなる。
どんな因果かは定かではないが、今季も事実上、昨年と全く同じ「磐田ダービー」で両チームにとってのシーズン開幕となった。
デリッツィア磐田(以下、磐田)のキックオフで始まったゲームは、その磐田が千葉から門田へのシンプルなパラレラでファーストシュートを放つ。その後も短い時間でのローテーションで選手が出入りし運動量を落とさず攻守を継続するものの、連携ミスも多く精度の高いフィニッシュには結びつかない。
対する田原FC(以下、田原)は今年もキャプテンマークを付ける蓮池にFリーグを経験し戻ってきた松本、若手の成長株、石野と萩原のセットでスタート。磐田の高い位置からのプレスに苦しみながらも、蓮池や石野がやや遠目からでも強引に打ち磐田ゴールをこじ開けようとする。が、磐田のゴレイロ皆川がこれを許さない。
その後、磐田のポゼッションがやや高いながらも一進一退でゲームは進む。どちらのチームも中盤で人手をかけた潰しが目立つが、ジャッジの流れから磐田のファールが前半を7分ほど残し5個に達してしまう。
それでも、それまでの積極さを失わずに攻める磐田は高い位置で田原のミスから奪ったボールを千葉が右サイドから左足で田原ゴール左上に強烈に叩き込んだ。
新たなチームとしての記念すべきファーストゴールで先制した磐田だったが、この喜びは長くは続かなかった。
1分後、田原の萩原が自チームのベンチ付近でハードヒットを受け倒れると、レフリーは一瞬、田原のファールを示す。が、これが訂正され磐田の6個目のファールとなりボールは磐田陣内の中央に移された。
この第2PKを田原のキャプテン蓮池が丁寧に決め試合は振り出しに戻った。
前半はこのまま1-1で終了、後半へ折り返すこととなった。
この前半で気になったのが、ピッチコンディションだ。昨年12月から運用が始まったと聞く真新しいアリーナ床面は、まだワックス処理の効果が最大に表れているためか全く滑る気配がなく、ボールが足に絡まるシーンが多かった。特に、足裏でなめるドリブルを好む選手には少なからずプレーのし辛さがあったと思う。
そして後半開始。
前半とは全く違うセットで試合に入った田原に対し、前半同様の布陣で臨む磐田が攻勢を仕掛ける。いくつかのファールも込みで何とか最初のローテーションまで耐えた田原だったが、後半が5分過ぎたころ磐田のキックインからの攻めで思わぬ失点をしてしまう。
磐田にとっての右サイドでのキックインを河合→横山でシンプルにフィニッシュすると、低く強いシュートがゴール正面でディフェンスしていた石野の足に当たりボールはそのままゴールへ飛び込んでしまった。
再び1点を追いかける展開になった田原は、この自殺点とも言えるゴール(公式記録は横山のゴールとなっていたが・・・)を与えてしまった石野が、磐田陣形の隙間を狙いドリブルで盛んに仕掛ける。 潰されたり孤立したりする場面も多々あったが、それでも磐田のアタックラインを少しずつ引き下げる役目は成していたと思う。
試合はこのままのスコアで進み、残り5分を切った頃にこんな場面が発生した。
田原が自陣ベンチ付近でのキックインからリスタートしたボールが後半ゴールを守る杉本につながれた瞬間、レフリーの笛が吹かれバックパスの判定に。猛抗議の田原ベンチだったが対戦相手の磐田もこの流れを認め、キッカーの河合がゴールラインへボールを蹴りだし、ゴールクリアランスとして田原にボールを返した。
ところがこのゴールクリアランスからの展開で磐田ゴール前までボールを運んだ田原が、最後は右サイドの好位置で待つ和泉のシュートまでつなぎ、これが決まって2-2の同点に追いつくこととなった。
このジャッジからの一連の流れは、いろいろな捕らえられ方をする場面ではあったと思うが、抜け目のないポジショニングと確実なシュートを披露した和泉の老獪なプレーを褒めるべきだと思う。
この後の試合は、前半とは対照的に田原のファールカウントが5を数えた状態で時間が経過して行く。6個目のファールを十分にケアしながら磐田の攻めに対応してきた田原に残り数秒でビッグチャンスが訪れる。
残り時間を考慮した最後のプレーで磐田ゴール前に入れられたボールが、ゴール正面でチャンスをうかがっていた松本の前にこぼれる。シュート練習ならばほぼ確実に枠内へ蹴りこむであろうシチュエーションではあったが、残り1秒で松本が思い切り放ったボールはわずかに磐田ゴールを外れ、劇的な決勝ゴールは生まれなかった。試合後、松本はこの場面を振り返り「残りの秒数を把握していただけに焦ってしまった。」と話す。
結局、どちらのチームにとっても「勝ち切れなかった」という思いと「負けなくてよかった」という思いが同居した結果だったのではないだろうか。
面白い試合ではあったが、両チームとも今季からの新戦力を生かしきれない、課題を抱えたスタートだったとも言える。第2節まで3週間のインターバルがあるが、どこまでパフォーマンスを向上させて来るのか!?
観る立場から言えば「今季がさらに面白くなる!」というわけだ。早くも次節が待ち遠しい。
▼前半
15分→DELIZIA磐田:千葉武(11)
16分→田原FC:蓮池紳吾(9)第2PK
▼後半
24分→DELIZIA磐田:横山正浩(12)
36分→田原FC:和泉秀実(7)