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2011東海女子フットサルリーグ【第1節】@北スポーツセンター(名古屋)・・・2011/07/03(sun)

■estrela/LENDA 2 vs 2 Frontier FC

今季から新たに愛知県からの3チーム目として東海リーグに参入することとなったestrela/LENDA(以下、エストレーラ)。昨季は愛知県リーグが戦いの舞台だった。人材豊富な愛知県で好成績を上げてきたチームとあってその知名度はともかく、未知数なポテンシャルに注目が集まる。

estrela/LENDA

estrela/LENDA

 

昨シーズン、全勝で東海女子を制したFrontier FC(以下、フロンティア)。豊富な経験でチームを支えてきた曽根田が今季の選手登録を外れベンチワークに専念、さらに数名の新戦力が加わり新体制を整えてきた。東海男子同様にこれまでの「連覇を果たしたチームがない」という東海の歴史を書き換える事が出来るのか?

Frontier FC

Frontier FC

この試合、速報でもスコアをご報告させていただいたとおり、2-2の引き分けで前後半の30分を終えることとなった。

「あのフロンティアが新規参入チームに?」と思われる方もいらっしゃるかと思うが、この日エストレーラが見せた戦いぶりは会場で観戦していたすべての方の今季の東海女子への興味をグッと引き上げたのではないか。

筆者もエストレーラの丸々1試合を見るのはこの日が初めてだったが、その意識統一された戦いぶりには感心した。

特にディフェンス面では、相手のボール廻しの行く先々へはっきりとしたプレスを掛け続け自由に前を向かせない。さらに相手が悪い体制になったと見るや2人目、時には3人目が加わりボールを奪う。

それだけではなく、ボールに関わらない選手も状況の変化で微妙にポジションを変え、もしもの時に備える。常に一つ先、ふたつ先の状況を全員が想定しながら連動していた。

パスの連携にも個の仕掛けにも優れたプレーが出来るフロンティアだが、エストレーラの几帳面なプレスと連携に思い通りのルートでゴールを目指せない。

さて、肝心な試合の流れだが、エストレーラのキックオフで試合開始。

フロンティアがボールを保持する機会が多いが、エストレーラの組織での守りになかなか自由な攻撃をさせてもらえない。
守備の面でもエストレーラの各選手にフリーで受ける機会を多く与えてしまい、その後の詰めも甘く常にゴールを向かれ後手後手の対応となってしまう。

そして前半のなかば、エストレーラはフロンティアベンチ前でのキックインから縦にボールを入れるとペナルティスポット付近へ折り返す。
これを受けた市川がやや右へボールを動かしシュート、エストレーラに先制点が生まれた。

これで目が覚めたのか、フロンティアは個の仕掛けを武器に反撃に出る。
先制されてから1分の間もなく、遠藤から出されたボールを宮本がディフェンスの直前のワンタッチでボールと共に裏に抜け出し、そのまま長い距離をドリブル、最後も確実にゴールへ蹴りこんだ。

さらに前半12分、フロンティアは相手陣内に入ったあたりでボールを持った石川がエストレーラゴールやや右側の高い位置で待つ高田に精度の高い縦パスを通す。高田はこれをうまく処理し逆転ゴールを奪った。

この2失点にも自分達のスタイルを崩さずゲームを進めるエストレーラは、再三縦への突破力でフロンティアディフェンスに混乱を起こしていた市川がその推進力を最大限に発揮、左サイドからゴールへ向かうドリブルを一旦はディフェンスにブロックされるものの、ボールを失うことなくさらに前進、そして先制点と同じような位置から再びゴールを決めた。

フロンティアにとっては、わかっていた選手にやられてしまっただけに悔いが残る失点だった。

後半に入るとエストレーラの組織での守備はさらに忠実さを増し、相手のボールの出先をしっかりと潰す。
攻撃でも奪ったボールを時にはシンプルに市川に託し、そうでない時はディフェンスの隙間に確実にパスを通しオフェンスラインを押し上げる。

フロンティアの攻撃は、石川や宮本が相手のファーストディフェンスを個の力で突破できた時にはシュートまで行くが、守備全体を崩すまでには至らない。
キックインなどからのセットプレーで何度かあった決定的かと思えるシュートも相手の素早い寄せを意識してか、精度を欠きなかなか枠内へボールは飛ばない。

一方、エストレーラも時間が経つにつれ、市川頼みの速攻にプラスアルファが加わらず単発での攻撃が多くなる。

両チームが終了間際に取ったタイムアウトも攻撃面では功を奏さず、後半は互いにスコアレス、前半のスコアがそのままこの試合の結果となった。

 

※エストレーラ、田尻元気監督のコメント

▼初戦を終えた感想、昨季のチャンピオンに引き分けの結果で終えたことについては?
・・・あっ、そうなんですか?優勝チームだったんですか?僕は知りませんでした。正直、勝てる試合だったと思っていますし勝たせてあげたかった。

▼自信があった?
・・・今季からの指導ですが、ディフェンスでの理解力も高まりましたし、自分達のスタイルがだいぶ完成してきました。相手のことはともかく、今は自分達のディフェンススタイルをどれだけ再現できるかと言う段階です。そういう意味では全体にはまあまあでしたが、最初の失点の仕方が悪かった。勝てなかったのはあれがすべてかな?

▼攻撃面では?
・・・攻撃について特別な指示や決め事はありません。常にチャレンジャーとして自由に、思い切りやれと言うくらいです。

▼今季の目標は?
・・・東海リーグに最大の目標を置くことになると思います。全日本女子も視野には入れてはいますが、リーグと県予選との日程などを考えて判断したいと思います。過密日程でどっちつかずになるのは避けてあげたい。

※エストレーラ、山岡由佳キャプテンのコメント

・・・今季の目標ですか?やれる事を精一杯やるって事ですかね!今日も何より楽しく出来た事がうれしいし、自信にもなりました。 注目選手? (11番の市川選手を指差し)この人! もちろん私も頑張りますよ!

 

※フロンティア、宮本キャプテンのコメント

▼(試合後の長いミーティングの終わりを待って)初戦を終えての感想は?
・・・「負けなかったと」捉えるのか「勝てなかった」と捉えるのか、気持ちの持ち方、整理がつかない。ただ、負けなかった事は間違いないので、しっかり気持ちを切り替えて次節以降に臨まなくてはいけないと思う。

▼志田選手を怪我で欠いた布陣だったが。
・・・それは関係ないですよ。かおりさん(曽根田)のことも含めて、誰がいなかったからどうのこうのって言われたくない。去年までの「選抜組み」と「それ以外」ではなく、みんなで戦うシーズンだと思う。

▼シーズンへの準備は?
・・・この前の施設選手権では全国大会に出れるまでにはなったんですが、その全国大会では良い結果が出なかった。だからこそ課題も見え一つ一つ取り組んできたんですけど。良くなっている部分もありますが、あとは気持ちにもっと一体感を出したい。

▼今季の目標は?
・・・リーグ戦では東海、県共に勝ちたいです。もちろん全日本女子では去年悔しい思いをしていますし、今年は必ず県→東海→全国と勝ち上がりたい。

▼新戦力については?
・・・チーム最年少の凪(寺田、13番)には成長を期待しています。気持ちも強いし、理解力もある。今日、ゴールを決めた枝里(高田、12番)や菜美恵(鈴木、11番)の成長もチームにとっては頼もしい戦力です。あとはチームのバナーの通り「心はひとつ!」がテーマかな!まだ始まったばかり、頑張りますよ!!

 

■得点経過(※公式記録による)
 ▼前半
   07:14分→エストレーラ:市川由香理(11)
   07:52分→フロンティア:宮本知実(5)
   11:26分→フロンティア:高田枝里(12)
   12:35分→エストレーラ:市川由香理(11)
 ▼後半
   ※両チーム得点なし

先制ゴールを奪い拳を突き上げ仲間の元へ駆け寄る市川(11)。

先制ゴールを奪い拳を突き上げ仲間の元へ駆け寄る市川(11)。

エストレーラの全得点をたたき出した市川(11)。その推進力は強烈。

エストレーラの全得点をたたき出した市川(11)。その推進力は強烈。

そして一旦動き出したら、その向かう先は常に相手ゴールだ。

そして一旦動き出したら、その向かう先は常に相手ゴールだ。

市川ばかりを掲載して申し訳ないが、こちらは穏やかな表情の彼女。

市川ばかりを掲載して申し訳ないが、こちらは穏やかな表情の彼女。

フロンティア陣内に攻め込むエストレーラの浜田(3)。対応するのはフロンティアの遠藤(16)。

フロンティア陣内に攻め込むエストレーラの浜田(3)。対応するのはフロンティアの遠藤(16)。

キャプテンとしてピッチを良くまとめていた山岡(5)。右サイドのキックインからシュートを狙う。

キャプテンとしてピッチを良くまとめていた山岡(5)。右サイドのキックインからシュートを狙う。

フロンティアのボールには常に厳しいプレスを掛けるエストレーラ。

フロンティアのボールには常に厳しいプレスを掛けるエストレーラ。

ボールの行く先々に常に顔を出していたフロンティアの宮本(5)。キャプテンとしてチームを引っ張る。エストレーラの29番は春日井。

ボールの行く先々に常に顔を出していたフロンティアの宮本(5)。キャプテンとしてチームを引っ張る。エストレーラの29番は春日井。

その春日井(29)のアップ。

その春日井(29)のアップ。

組織での守りの最後尾でしっかりと役割を果たしていたエストレーラのゴレイラ、佐藤。

組織での守りの最後尾でしっかりと役割を果たしていたエストレーラのゴレイラ、佐藤。

逆転ゴールを決めた高田(12)をアシストした石川(10)が祝福。左は同点ゴールを奪っているキャプテンの宮本(5)。

逆転ゴールを決めた高田(12)をアシストした石川(10)が祝福。左は同点ゴールを奪っているキャプテンの宮本(5)。

フロンティアの誰もが成長を口にする鈴木(9)。

フロンティアの誰もが成長を口にする鈴木(9)。

終盤には際どいシュートを連発したフロンティアの石川(10)。中盤でボールを運ぶ彼女にスピードで負けない市川(11)が戻り対応。

終盤には際どいシュートを連発したフロンティアの石川(10)。中盤でボールを運ぶ彼女にスピードで負けない市川(11)が戻り対応。

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